【日韓W杯から20年】2002年のワールドカップでベスト11人&期待外れだった11人を選出。豪華に見えるのはどちらか (3ページ目)

  • 中山 淳●text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

大会前のケガが痛かったジダン

 一方、期待外れに終わった選手を選んでみると、そこには錚々たるメンバーが名を連ねる。こちらは悪い意味で、日韓W杯を象徴する11人と言っていい。

 いずれも期待を大きく裏切り、グループリーグ敗退を強いられたフランス、アルゼンチン、ポルトガル、そして 死のグループFで最下位に終わったナイジェリアから選出した。

2002年日韓W杯で期待外れに終わった11人2002年日韓W杯で期待外れに終わった11人この記事に関連する写真を見る GKはフランスのファビアン・バルテズ。DFはポルトガルのフェルナンド・コウト、フランスのマルセル・デサイー、アルゼンチンのマウリシオ・ポチェッティーノの3人。

 MFは、アルゼンチンのフアン・セバスティアン・ベロン、ポルトガルのルイ・コスタ、ナイジェリアのヌワンコ・カヌ、そしてフランスのジネディーン・ジダン。そしてFWは、フランスのティエリ・アンリ、ポルトガルのルイス・フィーゴ、アルゼンチンのクラウディオ・ロペスの3人だ。

 このなかで最も世界の期待を裏切った選手と言えば、大会前の韓国との親善試合で負傷してしまい、グループ3戦目のデンマーク戦しか出場できなかったジダンと、2戦目のウルグアイ戦でレッドカードをもらったアンリの2人だ。

 フランスの攻撃の中心を担っていた2大スターの大不振がなければ、フランスのグループリーグ敗退はなかっただろう。

 アルゼンチンでは、イングランド戦でPKを与えるファウルを犯したポチェッティーノと、大不振に陥った司令塔ベロンが戦犯となった。また、クラウディオ・ロペスが本調子でなかったことも、グループリーグ敗退の要因に挙げられる。

 ポルトガルは初戦のアメリカ戦の敗戦がケチのつけはじめで、ポーランド戦ではパウレタがハットトリックの活躍を見せたものの、最後の韓国戦でパク・チソンの決勝ゴールに涙を呑んだ。フェルナンド・コウト、ルイ・コスタ、パウロ・ソウザ、フィーゴ、ジョアン・ピントら、期待された黄金世代がいずれも活躍できなかったのが誤算だった。

 また、予想外にスウェーデンがグループ首位通過を果たしたグループFで1分け2敗に終わったナイジェリアでは、心臓の病から復帰し、アフリカ予選からチームの中心として活躍していたカヌが、期待外れのパフォーマンスに終わったことが痛手だった。

 番狂わせの連続だった2002年日韓W杯。こうして振り返ると、ベスト11よりも期待外れの11人のほうが豪華な顔ぶれが並んでしまうのが、残念に思えてならない。

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