サッカー日本代表のカタールW杯での成績を識者5人が大予想。突破の可能性は? (3ページ目)
希望的観測も込めて
となれば、狙いは当然、ドイツとの初戦だ。大舞台で番狂わせが起きるのは、たいてい初戦と相場は決まっている。出足のいいプレスで、ドイツの攻撃を高い位置から封じることができれば、こう着した試合に持ち込めるかもしれない。
逆にドイツの攻撃力に屈し、いきなり大敗を喫するようだと、第2戦に勝ったとしても最終戦を待たずに事実上グループリーグ敗退が決まってしまうケースもありうる。
いずれにしてもカギは初戦。ここをどう乗り越えるか、である。
1勝1分1敗
小宮良之
スペイン、ドイツと同組で勝ち上がりを予想するには、かなり希望的観測を含めなければならない。四つに組んで勝てる相手ではなく、分は悪いだろう。ただ、個人的には「1勝1分け1敗」での勝ち上がりを予想したい。
過去5大会W杯を取材してきて、勝ち上がらない、というスタンスで代表を追うのはあまりに寂しいのである。勝ち筋を見つける、そのスタンスで日本代表を描きたい。そんな心情的理由で、「ベスト16に進める」と推す。
そのためには少なくともスペイン、ドイツのどちらかに負けないことが必要になるが、2カ国が潰しあってくれたら、引き分けでも勝ち抜ける。コスタリカorニュージーランドとの試合に勝てることを前提で書くのも躊躇を覚えるが、ここに読みにくいアフリカの代表やエクアドルが来なかったのは、やや幸運だったと言えるかもしれない。
森保一監督が作り上げた「いい守りがいい攻撃を生む」というスタンスは、ひとつの土台になる。吉田麻也、冨安健洋、酒井宏樹の3人は堅固で、遠藤航も計算が立つ。伊東純也はどこが相手でもカウンターで相手を苦しめるはずで、南野拓実にも一発はある。いずれも欧州で成果を残してきた選手で、一方的にやられるメンツではない。
もっとも、この形だけでは手詰まりになるし、先制されたら苦しくなる。グループリーグ3試合、同じ布陣ではガス欠になるのは目に見えている。交代策も含め、もうひとつふたつ、戦いの手札を持てるか。時間的猶予はないが、ドイツで結果を残す鎌田大地、奥川雅也、伊藤洋輝、スペインで主力の久保建英のような「現在は手札になっていない有力選手」をチームに取り込む努力が必要だ。
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