中村憲剛&佐藤寿人の森保ジャパン2021総括。「このままではいけないと、なっていかないといけない」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by JFA/AFLO

中村憲剛×佐藤寿人
第8回「日本サッカー向上委員会」@後編

 1980年生まれの中村憲剛と、1982年生まれの佐藤寿人。2020年シーズンかぎりでユニフォームを脱いだふたりのレジェンドは、現役時代から仲がいい。気の置けない関係だから、彼らが交わすトークは本音ばかりだ。ならば、ふたりに日本サッカーについて語り合ってもらえれば、もっといい未来が見えてくるのではないか。飾らない言葉が飛び交う「日本サッカー向上委員会」、第8回はJリーグ&日本代表ともに激動だった「2021シーズン」を振り返ってもらった。

◆第8回@前編「J1でもJ2でも個々の能力はそこまで大差はない」はこちら>>
◆第8回@中編「ヤットさんはいつまでもできるぞ」はこちら>>

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オマーン戦で鮮烈なデビューを飾った三笘薫オマーン戦で鮮烈なデビューを飾った三笘薫この記事に関連する写真を見る---- 2021年は日本代表にとっても重要な1年でした。ワールドカップのアジア最終予選が始まり、東京オリンピックもありましたね。

中村 もう、オリンピックは遠い昔のような感じがするなぁ(苦笑)。それくらい、最終予選の展開が濃いですから。

 ワールドカップに出るということだけを考えれば、開幕3戦2敗スタートから今、自動出場圏内の2位にいるわけなので、よく持ち直したなと思います。

 大きかったのは、やっぱりオーストラリア戦(2−1/10月12日)かなと。今までの森保(一監督)さんだったらやらないようなことを、しかも連戦の最中にやったので、あれはなかなか衝撃的でしたよ。

佐藤 何かを変えなければいけないタイミングでしたからね。そうとう追い込まれていたと思いますよ。

---- 戦いを苦しくした原因はどこにあったと思いますか。

佐藤 やっぱり、競争力を持ってほしかったですね。特にアウェーのベトナム戦(1−0/11月11日)は勝ちましたけど、もっとフレッシュな選手を見たかったという想いがあります。

 もちろん、移動もあって、トレーニングの機会も制限されるなか、変えづらいところもあったと思いますが、もっとフレキシブルなジャッジがあってもよかったと思います。

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