称えられるべきウルグアイ戦。だが森保監督の言葉は鵜呑みにできない (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Watanabe Koji

 注目された日本のシステムは、前回のチリ戦と同じ4-2-3-1。今回の招集メンバーには4バック時の純粋なサイドバックが選ばれておらず、U-22代表のメインシステムである3-4-2-1を想定した人選に見えたなか、森保監督は試合前に示唆していたとおり、再び4-2-3-1を採用した。

 チリ戦後、森保監督は4バックにした理由について「今回招集した選手を見て」と表向きの説明をしたが、今回はその理由を「3-4-3と(ウルグアイの)4-4-2はミスマッチ」とした。しかしサンフレッチェ広島時代の森保監督は、対戦相手が4-4-2の場合もシステムを変えることなく、3-4-2-1を使って相手を苦しめた試合が多かったことを考えると、その説明を鵜呑みにはできない。

 そもそも東京五輪を目指すU-22代表は、監督不在のなか、これまで横内昭展コーチが相手のシステムにかかわらず3-4-2-1をメインに強化を続けてきたはず。その横内コーチが右腕としてベンチに座る今大会で、「相手が4-4-2だから」という理由で3バックではなく、オプションの4バックを使ったことは不自然だ。

 おそらく、4-2-3-1を2度続けて採用したことから推測すると、現時点で、森保監督は東京五輪本番で4バックをメインに戦いたいと考えている可能性が高まったと見ていい。コパ・アメリカは、本番までに真剣勝負の場がない開催国の日本にとって、貴重な実戦経験の場でもある。その舞台で4バックを採用する意味は軽くない。

 いずれにしても、同じ4-2-3-1でウルグアイに挑んだこの日の日本は、いくつかの点でチリ戦とは異なる顔を見せている。

 スタメンはチリ戦から6人が変更され、GKに川島永嗣、右SBに岩田智輝、ボランチに板倉滉、右ウイングに三好康児、トップ下に安部裕葵、1トップに岡崎慎司が入った。中2日の日程で、しかもサンパウロからポルト・アレグレに飛行機移動したことを考えれば、スタメンの大幅入れ替えを行なったこと自体に疑問はないだろう。

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