なでしこジャパン異色の29歳、櫨(はじ)まどかは攻撃の要となるか (4ページ目)
とはいえ、長野に入ってから多くの時間を攻撃面に割いてきたにも関わらず、この試合でもコンビネーションで崩すことは叶わなかった。
もちろん、中島、田中の2ゴールに見られるような個の打開力は必須であり、高倉監督も「そこは避けては通ることはできない。組織力に逃げるつもりもない」としている。それでも、なでしこジャパンの根底にあるのは世界トップの組織力だ。その組織力の綻びから失点し、組織力を生かした得点が少ないことで、選手たちにも確固たる自信は芽生えていない。指揮官がこの試合を"発展途上"と表現したのは謙遜でもなく、偽らざるなでしこの現状だ。
その中でも、積み上がっているもの、生み出していこうとしているものはある。あとはそれをどう形にしていくか。
12月にはワールドカップ予選の前哨戦となる東アジア選手権が控えている。アジアのライバルたちは、過去の経験から日本封じなるものをすでに手にしている。そこにどう挑むのか。経験を糧に――と言っている暇はなく、結果が求められる大会まで残された時間は少ない。
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