欧州勢に大勝のハリルJとボコボコに負けた韓国。その差に思う一抹の不安 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 ブルガリアにとって最悪の出来事が起きやすい環境だったわけだ。そこにあえて身を投じた。これこそが強化である。そしてその結果、改善すべき箇所が数多く見つかった。はるばる日本まで駆けつけた甲斐があったというものだ。2-7は、逆に日本がアウェーの地で経験すべき、まさに見習うべき姿だ。

 日本が欧州勢と最後に対戦したのは2年前のブラジルW杯対ギリシャ戦。親善試合になると、弱小キプロスをホームに招いて戦ったブラジルW杯の壮行試合が直近で、海外のアウェー戦に至っては、2013年11月(ベルギー、オランダ)まで遡る。

 アウェー戦も少ないし、強豪と呼べる相手との試合も数少ない。ホームの親善試合という緩すぎる設定の中で勝利を重ね、「ニッポン! ニッポン!」と盛り上がる内向きな姿では、世界に太刀打ちできない。その道の先に幸はないことは、もう10年以上前からこの世界に浸透している常識のはず。この7-2勝利という結果を受け、日本の世の中はどう反応するか。試されている時だと思う。大喜びすればするほど、将来が不安になる。

 だが、つい1年と少し前に来日したハリルホジッチが、この日本の特殊事情を理解しているとは思えない。口を突いて出た「こんなに得点をとっておいて批判することはできるでしょうか」の言葉が、なによりの証拠だ。岡田武史さん(現サッカー協会副会長兼今治FCオーナー兼解説者)が代表監督なら、そんなことは口にしていないはずだ。

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