緊張感が違う!新生なでしこジャパンは女王アメリカに通用するのか? (4ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by Kyodo News

 そのために必要なのが、選手同士の緻密なコミュニケーションだろう。遊びを取り入れたメニューや、オフザピッチで高めたチームの雰囲気が、ここで生きてくる。わずか2日間の短い間でも、互いの考えを伝え合い、特に若い選手たちがピッチ内外で殻を破っていくことがチーム力アップにつながる。指揮官は二段構えで選手たちを刺激し、変化を促した。2日目は、初日とは違ったほど良い緊張感の中で、翌日の本番に向けた実戦的なメニューをこなした。

「初日が終わった時点で、もう4、5日一緒にいるように感じるぐらい、選手といろんな話をしました。必死で戦うとか、諦めないで戦うということは当然のこと。そこだけで人の気持ちを打つのではなくて、プレーの質の高さ、サッカーの内容でなでしこジャパンを評価してもらえるようにしたい。全員がハードワークをして、なおかつ10cmにこだわる質の高さ、そういう厳しさを出していきたいと思います」(高倉)

 アメリカは、日本に先んじて27日に現地入りし、コンディションを高めている。今回の日本戦には25名のメンバーが招集されており、3大会連続の金メダルがかかるリオ五輪本番に向けて、18名に絞るための選考の場でもある。前日、会見場に現れたジル・エリス監督の表情には自信の色が浮かんでいた。

 この2日間で形になり始めた日本の武器が、アメリカに対してどこまで通用するのか。まずはデンバーの地で、なでしこの花を咲かせてほしい。

●なでしこ記事一覧>


4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る