緊張感が違う!新生なでしこジャパンは女王アメリカに通用するのか? (2ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by Kyodo News

 午前練習はフィジカル面の調整からスタートした。ボールを使ったパス練習などで、徐々に心拍数を上げていく。遊びの要素も取り入れたメニューが多い中で、年齢や経験の差といった垣根を越えて積極的に声を掛け合い、笑い声もよく響いた。戦術面の構築よりは、主に選手間のコミュニケーションを図ることと基礎の徹底に時間を割いた印象だ。雰囲気の良さは選手たち自身の言葉からも読みとれた。

「初めてプレーする人もいますが、よくコミュニケーションが取れていてすごくいい雰囲気でやれています」(杉田亜未/伊賀FCくノ一)
「練習の中で、集中するところと楽しむところが分かれています。笑顔が見える雰囲気作りはいいですね」(熊谷紗希/オリンピック・リヨン)

 熊谷は先日、女子CL決勝で所属するリヨン(フランス)の優勝にフル出場で貢献し、MVPに輝いた。ディフェンスリーダーとして、今回のチームを大きな声で盛り上げている。そんな中、千葉園子(ASハリマ)や高木ひかり(ノジマステラ)など、初招集の選手たちも臆することなくチャレンジしていた。

 しかし、初日の午後練習では、午前とは打って変わり、グラウンドにピリッとした緊張感が漂った。

「『やっているつもりはやめよう』と伝えました。ファーストディフェンダーのスピードやカバーのポジションも、これぐらいでいいかな、という感覚がある。経験を積んでいる分、なんとなくやれている感じになるんだろうなと強く感じました。実際それはできていないと、自分たちが分からないといけない。厳しいかもしれないけれど、変わらなければいけないよと伝えました」(高倉)

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