サッカー五輪代表・久保裕也「最終予選で3年前の借りを必ず返す」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「(AFC U-19選手権では)自分のプレーができなかった。ゴールも取れなかったことで、自分は『このままじゃいけない』『もっと成長しないといけない』と思った。それで、海外(のクラブ)に行こうと決めたんです」

 U-20W杯出場を逃した半年後、久保は現在所属しているスイスのBSCヤングボーイズに完全移籍した。海外で技術、メンタルを磨き、今度こそアジア予選を突破し「世界大会(リオ五輪)に出る」と心に誓った。

 そうして、最初に成長の証(あかし)を見せたのが、2015年3月に行なわれたリオ五輪アジア1次予選(AFC U-23選手権予選/マレーシア)だった。そこで、初めてU-22日本代表に招集され、ほぼぶっつけで本番に挑みながら、最終戦のマレーシア戦(1-0)では値千金の決勝ゴールを決めた。久保自身は決して満足していなかったものの、日本の最終予選進出に貢献した。

「(1次予選のときは)点が取れたのはよかったけど、暑さで思うようなプレーができなかった。ぜんぜんダメでしたね。スイスに戻ってから『あいつが必要だ』って思われるような活躍をして、『また代表に戻ってきたい』と改めて思いました」

 その1次予選から9カ月後、久保は最終予選に挑むU-23日本代表に招集され、チームの沖縄合宿に合流した。その直前、久保は少しばかり不安を口にした。

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