ヴィッセルDF岩波拓也は「声出し」で
五輪予選を突破する

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

「かなりショックでした。去年なら『なんでやねん』ってなっていたと思うんですけど、ここでクサっても自分のためにならない。練習中にすごく観察している監督なので、初心に戻ってどんなトレーニングでも全力で取り組むようにしたんです。それこそパス&コントロールといった、基本的な練習でも力を抜かずに......。そうしたら4試合目にスタメンに戻れて、その試合でのパフォーマンスを褒めてもらえた。『スタメンに戻したのは、練習を本当に頑張っていたから』と言われて。自分の力で取り戻せたのも自信になりました」

 今年5月には日本代表候補キャンプにも招集された。森重真人(FC東京)や槙野智章(浦和レッズ)といったハリルジャパンで主力として活躍するセンターバックとともに汗を流し、彼我の差を感じ取った。細かい点で学ぶべきことが多く、自身に足りないものがたくさん見えたが、自信となったのは、それが「決して届かない差ではない」と感じられたことだ。

「どこかのタイミングでA代表に入りたいと思っていて、想像よりも早かったですけど、自分がセンターバックとしてどれくらいの位置にいるか、A代表の選手たちとどれくらいの差があるのか確かめに行きました。そういう意味では、びっくりするほどの差はなかった。その差を少しずつ詰めて、ロシア・ワールドカップまでには追いつきたい、逆転したい。それに、センターバックは前線の選手よりも(A代表に定着する)チャンスが大きいと感じました」

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