日本代表主将・長谷部誠の激白。「もはや戦い方を再考すべき」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

ブラジルW杯まで295日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第21回:長谷部 誠

 8月14日、ウルグアイと対戦した日本代表。同ゲームにおけるテーマは明確だった。

 ひとつは、ザッケローニ監督も公言していたように、東アジアカップで結果を出した選手と既存メンバーの「融合」だ。もうひとつは、コンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)で、3試合で9失点と崩壊した「守備」をどう修正するか、だった。

 とりわけ、守備の修正に関しては、主将の長谷部誠も重要視し、「チームとして、どれだけ失点を防いで、(相手を)ゼロに抑えられるかが、大きなテーマ」と、試合前日に熱く語っていた。

3連敗に終わったコンフェデレーションズカップに続いてウルグアイ戦も完敗し、危機感を募らせる長谷部誠。3連敗に終わったコンフェデレーションズカップに続いてウルグアイ戦も完敗し、危機感を募らせる長谷部誠。
 だが、結果は2-4の惨敗だった。試合後、ミックスゾーンに現れた長谷部の表情は、いつになく硬かった。

 今回、チームに課せられていたふたつのミッション。長谷部は、どの程度達成できたと考えていたのだろうか。

「う~ん......、新しい選手との"融合"については、今回は(一緒に練習する)時間が短かったですからね。"融合"というよりは、(新しい選手が)いつも呼ばれている選手の中に交ざって(チームの雰囲気などに)慣れる、ということが必須だったと思うんです。そこは、キヨ(清武弘嗣)なんかが食事のときに、(山口)螢や(柿谷)曜一朗を各テーブルに連れて行ったりして、うまくやってくれていた。ただ、ゲーム中に関して言うと、新しく入ってきた選手にとっては、厳しい展開になってしまったかな、と思いますね。スタートから出場したのは、曜一朗だけですが、自分たちのミスで先に失点してしまうと、チーム自体がリズムに乗り切れないので、そういう状況の中で、彼自身、(良さを出すのは)ちょっと難しかったと思う」

 結局、柿谷は前半、そこそこチャンスに絡んだものの、後半19分に豊田陽平と交代。その後、長谷部と交代して山口螢が途中出場を果たしたが、6人の新顔選手が召集された東アジアカップ組からは、わずか3選手しか出場機会を得られなかった。

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