東アジア杯で代表初選出。ドリブラー齋藤学が語る「自らの武器」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by GettyImages

 それ故、F・マリノスでは松田直樹、愛媛では福田健二というチームリーダーたちが彼に目をかけたのだろう。それは「使いっ走りの後輩」としてではなく、「将来が楽しみな後輩」としてだった。二人は若き日の自分と同じ、「戦う男の清々しい意気」を感じたのである。

「気持ちの面ではリベリーは学ぶところがありますね」

 齋藤は真っ直ぐな視線でそう明かしている。

「たとえ1対2でも、リベリーは果敢に仕掛けていくじゃないですか? ドリブルをするときにはそういう強気も求められると思います。必ずしも、(相手エリアで)数的に優位を作らないといけないわけじゃない。1対2でも、すぐにはボールを下げないようにしていますね。もしそこで自分が勝てれば、チームにとってはすごくチャンスになるわけですから」

 怯(ひる)まず、攻める。身長169cmと小柄だが、“自分が敵を仕留める”という強い気迫を彼は秘めている。

「一生をかけてサッカーをうまくなっていきたい」

 そう語る齋藤にとって、東アジア杯は一つの試練になるだろう。世界との遭遇が、彼のカタルシスになる。

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