東アジア杯で代表初選出。ドリブラー齋藤学が語る「自らの武器」
7月13日。東アジア杯に出場する日本代表のメンバー選出発表を前にした、最後のゲームだった。
齋藤学(横浜F・マリノス、23歳)は、熱風を涼風に変えるようなドリブルシュートを決めている。大宮アルディージャのバックラインの前を、軽妙なステップワークで横にドリブル。たまらず飛び込んできたDFのタックルを待ちかまえていたかのようにひらりとかわす。SBとCBの間のラインを見切って縦に切り込むと、最後はGKの手の届かない位置にボールを蹴り込んだ。
横浜F・マリノスの好調の原動力ともなっている齋藤学 周囲の記者たちは「4人抜きのスーパーゴール」と沸き立った。事実、代表選手選考の決定打になったかもしれない。
しかし齋藤本人はミックスゾーンでも至って冷静だった。
「代表? まだまだ満足はできないし、やるべきことはあると思っています」
その飽くなき向上心と真摯な態度にこそ、彼の真骨頂がある。
齋藤の最大の武器。
それは分かりやすく言うのならば、ドリブルということになる。相手の態勢と周りのスペース、敵味方、視界に入る全員の動きを計算。ドリブルの道筋を瞬時に見極め、高い精度で実行する。
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