【ヤングなでしこ】 佐々木監督も認める才能。藤田のぞみが世界の舞台で体得したバランス感覚 (3ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by Nakanishi Yusuke/AFLO SPORT

 ケガから復帰すると、9月のU-20W杯メンバー入り。そのU-20W杯では、4試合に出場し銅メダル獲得に貢献した。ピッチでは猶本光とダブルボランチを組み、トップ下の柴田華絵との浦和レッズ・トライアングルで攻守の舵を取って、中盤の底でピンチの芽を摘む献身的なプレイが光った。

「U-20はひとりひとりがすごく積極的で自分から動く選手が多いので、全員の良さを最大限に生かせれば面白いサッカーができると考えて、自分がどういう動きをしたらいいかを常に考えていました。私は上がりたがりなので、バランスを崩している部分もあったんですけど......。私も(猶本)光も、超上がりたがりなんです(笑)。光は前で決定的なパスを出せるし、光が前に出ている時の方が攻撃がうまくいっていたので、私が後ろでしっかり相手の攻撃の芽を摘んでバランスを取る方がいい形になると判断したんです」

■キャプテンとしてヤングなでしこを統率

 大会では2大会連続出場の経験を買われてキャプテンに任命され、リーダーシップを発揮。プレッシャーもあったはずだが、大役をしっかりと務め上げた。

 率先して前に出て引っ張っていくタイプではない。自他ともに認める「マイペース」だが、試合に出ていない選手の意見を積極的に聞き、試合後のミーティングを仕切ってまとめるなど、"裏方"としてチームを支えた。そうしたキャプテンシーが、個性派揃いのチームのよさをうまく引き出していた。

「スタメンとサブの実力差は全然なかったですし、誰が出てもおかしくないチームだったので、サブメンバーが意見を出しやすいように努めていました。アジア(昨年のAFC U-19)の時はスタメンとサブの温度差を感じて、反省点になっていました。みんながいい思いをすることは難しいと思うんですけど、なでしこジャパンみたいに、ひとつのチームになれればというのは常に考えていました」

 藤田のプレイで特に光っていたのが、一本のパスでチャンスをつくり出せる視野の広さと技術だ。味方の足元にぴたりと合わせる正確なパスは、なでしこジャパンの攻守を司る澤穂希のパスを彷彿させる。また、152cmと小柄な身体で170㎝を超える相手とも互角以上に渡り合う巧みなボディーコントロールは、今後、ライバルのアメリカやドイツと戦ううえでも欠かせない技術となるだろう。

 また、今大会では、グループリーグ敗退の悔しさを味わった前回大会(2010U-17W杯ドイツ大会)の経験が生きていたという。

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