【日本代表】本田圭佑「伸びしろが、マックス。それが今の代表のいいところ」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 その後も日本は猛攻を続けるも、追加点を奪うまでには至らなかった。反対に、スタジアムの雰囲気に飲まれたのか、レフェリーがセットプレイの際に内田篤人のファウルを宣告。オーストラリアにPKを与え、同点とされた。結局、そのまま1-1のドロー。

 試合後、オーストラリアの攻撃の起点となった同じ背番号4のケーヒルと、本田はユニフォームを交換していた。その表情には、明らかに悔しさがにじみ出ていた。

「どちらかというと、もうちょいやれたかな、という印象はある。相手が10人になって、最後まで崩せてはいるけど、点を取るにはアイデアが......。アイデアというのは、サプライズみたいなプレイのことですが、2点目を取る部分に関しては、それが足りへんかったかなと思います」

 この試合と、1、2戦目の本田とで大きな違いが見られたのは、ドイツで大柄なDFへの対応に慣れている香川真司を、より生かそうとするプレイだった。そのために、中盤の下がり目のポジションに入ることが多く、オマーン戦やヨルダン戦よりも、ペナルティーボックス内に入っていく回数が格段に減っていた。

「そうですね。それはチームが間延びしていたんで、中盤を作りたいというのが頭にあったから。(サイドからの)センタリングでオマーンやヨルダンのときは崩せていたけど、向こうが完全に引いていたんで、今回は単純に放り込むだけでは跳ね返される。だから、相手の深い位置まで(長友)佑都や(内田)篤人が仕掛けていくとか、(自分が)1回起点になってそこからトップに当ててワンツーで崩すとか、あるいはしつこくサイドで人数をかけて突破していくとか、前の2試合とは違う、そういう崩し方ができず、少し攻撃が単調になっていた。それに、自分自身ももっと得点に絡むような動きをしていかないといけない。相手が嫌がるようなサプライズというプレイを、質も回数も両方ともに増やして、高めていく必要があると思います」

 オーストラリアというアジアの中では抜けた存在であるチームと戦ったことで、課題は出た。では、その強豪と戦ったことで現状のチーム力を推し量ることができたのだろうか。本田にヨルダン戦後と同じ質問をぶつけてみた。

 チームの完成度は、どうなのか。

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