中日バッター陣の課題は「阪神打線から教えてもらった」 今中慎二が語る得点力アップに必要なこと (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――開幕から約1カ月が経ち、各チームの戦力や戦い方がある程度わかってきたと思いますが、中日にとって手強いチームは?

今中 やっぱり阪神です。阪神をなんとかしなければいけないのは、ほかのチームも同じじでしょう。昨季はどこもやられていて、力の差が出ていましたから。それと、「巨人はピッチャーで苦労しそうだな」と見ていたのですが、ルーキーの西舘勇陽がいいボールを投げていますし、予想以上にピッチャー陣が頑張っていますね。

 ただ、中日としてはほかのチームを気にせずにまずは立て直すこと。中日は連勝をしたあとに連敗をして、どうやったら連勝できるのか、どうやったら連敗してしまうのかがわかったと思うので、その点はよかったかもしれません。ピッチャー陣の課題はフォアボールを減らすことですが、バッター陣の課題はボール球を見極めることだと思います。

――まずはピッチャー陣に踏ん張ってもらい、僅差の展開に持ち込みたいところですね。

今中 ピッチャー陣が不調だった理由は主にフォアボールの多さで、そこが明確になっているのですぐにいい状態に戻ると思っています。柳裕也や小笠原慎之介あたりがビシっと投げれば、打線も含めてまたいい流れに乗っかっていくはず。阪神との3連戦でコテンパンにやられたことが、いい方向に進むきっかけになればいいですね。

【プロフィール】

◆今中慎二(いまなか・しんじ)

1971年3月6日大阪府生まれ。左投左打。1989年、大阪桐蔭高校からドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。2年目から二桁勝利を挙げ、1993年には沢村賞、最多賞(17勝)、最多奪三振賞(247個)、ゴールデングラブ賞、ベストナインと、投手タイトルを独占した。また、同年からは4年連続で開幕投手を務める。2001年シーズン終了後、現役引退を決意。現在はプロ野球解説者などで活躍中。

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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