山口俊がコロナ禍のMLB挑戦で残した未練 セカンドキャリアで「アメリカに借りを返したい」 (3ページ目)

  • 石塚隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 長谷部英明●撮影 photo by Hasebe Hideaki

【「最後は横浜でやりたい」という思いがあった】

――2021年の途中から巨人に復帰し、2シーズン在籍しましたが、思うような結果は出せませんでしたね。

山口 はい。拾っていただいてありがたかったんですが、特に2022年は配置転換もあって、自分自身燃え尽きてしまった感覚もあったかもしれません。結局そのまま自由契約となり、独立リーグの球団からお話をいただいても、「野球をやりたい」という気持ちが湧いてくることはなく、2023年の春に引退を発表しました。

――もう野球に未練はありませんか。

山口 ないですね。完全に燃え尽きたし、やり切った感はあります。

――そういえば、昨年12月に開催された『YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH』では、久しぶりにベイスターズのユニフォームに袖を通し横浜スタジアムに登場しました。

山口 ベイスターズに声を掛けていただいて本当にうれしかったです。久々のハマスタのマウンド。まだプロデビュー前の度会隆輝選手にセンター前ヒットを打たれましたけど(笑)。

――山口さんの名前がコールされると、ハマスタの観衆がどよめいた後、大きな拍手が沸き起こったのが印象的でした。

山口 ありがたかったですね。実は、最後は横浜でやりたいという思いが自分の中にありました。現役時代には叶いませんでしたが、今回機会をいただいてユニフォームを着てハマスタでファンの皆さんの前でプレーできたのは、僕にとって引退試合のような感じだったんです。球団にもファンの皆さんにも感謝しかありません。

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