西武・平良海馬は日本プロ野球の最先端を走る投手 最新理論は「アウトコース低めを狙うのはまったく意味がない」 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

── それは空振りになりやすいから? あるいは、コースを狙うより「高め」を狙ったほうが投げやすいからですか。

「空振り率が高いからです。投げやすいとかは関係ないですね」

── 「VAA」(Vertical Approach Angle)という指標が近年注目されています。VAAが0度に近いと三振を奪いやすく、身長の低い投手が三振を取れる傾向にあると言われます。そこは身長173cmの平良投手にとって有利な点だと思いますか。

「僕は身長が低い分、高めに投げれば入射角もプラスになっていくと思うので、そこは有利な点じゃないかなと思います」

── 長いシーズンはどう見通していくのでしょうか。たとえば2024年シーズンに向かううえで、まずは年間で目標とするイニング数がだいたいあるのか。

「根本的には、やっぱりクオリティスタートが基準です。でも、3失点もしてはいけないと思うので。6回3失点というクオリティスタートのなかで、失点を少なくするために、リスクを下げるために三振がほしいっていうだけです。だって、打球が内野にすら飛ばないので。それだけですね」

── 7、8回を投げて、無失点なら越したことはないけれども、2失点くらいなら仕事ができたと言える?

「そうですね。シーズントータルで見れば、仕事はできていると思うんですよ」

── それで週1回の登板を守っていき、年間25試合くらい行ければいい?

「25試合に行けばいいですよね」

── 目標にする年間イニング数は175回と話していました。「25試合×7イニング=175イニング」をクリアできたら?

「相当満足だと思います」

── 勝ち星は? 投手が左右できないものとも言われますが......。

「はい。まったく気にしないですね」

── 最多勝は?

「まったく興味ないですね。ただの運だと思います」

── 興味があるのはクオリティスタートとイニング数?

「そうですね。勝ち負けも、まったくすべてが運というわけではないんですけど。運の要素が強いっていうだけで。全試合0点に抑えていたら最多勝を獲れる確率が高まるかもしれないですけど、ただ別に......。そこは運の占める要素が強いっていうことなので。三振だったら、ピッチャーの実力かなと思うので。そこ(のタイトル)はやっぱり獲りたいところではありますよね」

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