西武・平良海馬は日本プロ野球の最先端を走る投手 最新理論は「アウトコース低めを狙うのはまったく意味がない」 (3ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

── ゴール(狙い)が三振だと、アウトコース低めを狙うのは意味がない?

「まったく意味がないです」

── 1試合単位だと、どういうことを考えるのですか。

「1試合単位でも、三振を取るのが一番いいと思うんですよね。球がまず、内野にすら飛ばないということなので。それをするためには、もしアウトコース低めで見逃し三振を取れる確率が高いなら、そこに行けばいいと思いますし。僕は高めのストレートで空振り三振を取るほうが確率が高いので、ただそれをやっているだけです」

── ストライクゾーンは何分割にイメージして狙っていますか。

「そもそも何分割っていう、そういう概念があまりないですね。真っすぐは高め、スライダーは右バッターのアウトコース。スプリット、ツーシームは左バッターのアウトコースみたいな感じで投げています。投げるコースはほとんど決まっていますね」

── そこに投げておけば打たれないという考え方ですか。

「そうですね。そのコースに投げておけば、途中までどうしても真っすぐに見えてしまうというか。ピッチトンネルと言われるんですけど、それをちゃんと構成するようなコースに投げたいと思っていますし、そうできるように練習しているっていう感じですね」

── ピッチトンネルを構成するイメージで投げれば、球種によって先ほどのような終着点になるわけですね。そういうイメージで投げ出したのはいつくらいからですか。

「2020年くらいです。新人王を獲った時くらいです」

── そう投げたほうが点を取られない確率が高いから?

「そうですね。2019年にちょろっと一軍で投げたくらいの時に、やっぱり高めの真っすぐで空振りをたくさん取れていましたし。変化球もバッターが空振りしているコースを見ると、やっぱりそういうふうになっていますので。だから、そういうピッチングをしているっていう感じですね」

── 真っすぐはコースを狙うというより、高めに?

「高めに」

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