根尾昂の課題「コントロールの乱れ」はカーブで克服できる 今中慎二が「伝家の宝刀」を伝授した理由を明かす (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――まずは、放物線を描くための感覚をつかむことが大事?

今中 そうですね。あとは、ストライクゾーンに投げるのではなく、ホームベースの上にボールをポトッと落とすイメージで投げること。慣れないうちは腕を振れなくてもいいし、腕が緩んでもいいから、とにかくそのイメージを作って投げてみるように伝えました。キャッチボールの時に遊び感覚でやって、うまく掴んでくればモノになるでしょう。

 その感覚を掴むことは、カーブを投げたことがないピッチャーに言っても難しいと思いますが、根尾はもともとカーブを投げていたので、なんとなく理解してくれるんじゃないかなと思います。

【根尾に自信を持ってほしい「持ち味」】

――オープン戦でのピッチングはどうでしたか? 3月2日のヤクルト戦では5回途中6安打5失点でしたが、3月9日の広島戦では6回途中1安打2失点でした。

今中 キャンプでの実戦では大胆にテンポよく投げていましたが、3月2日のヤクルト戦では結果を欲しがっていた。初回に山田哲人に二塁打を打たれた後もそうですけど、根尾のいい部分でもある大胆さがなかったですね。いいボールもあったのですが、悪いボールのほうが目立っていて、やはりコントロールで苦しんでいました。

「際どいコースに投げなきゃ」とか「低く投げなきゃ」と、余計な意識が働いたのかなと。現段階では細かいことは気にせずにバッターに向かっていったほうがいいと思います。9日の広島戦は、結果はよかったかもしれませんが、大事なのは内容です。現段階では打たれてもいいので、いろいろ試していってほしいですね。

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