オリックス「西川龍馬は5番がいい」と星野伸之が野手陣を分析 今季の打順やポジションはより「変幻自在」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――森友哉選手や頓宮裕真選手ら、首位打者になった経験があってバットコントロールのうまい打者が上位打線に並び、同じくバットコントロールが巧みな西川選手が加わる。相手バッテリーは頭を悩ませそうです。

星野 頓宮は昨年に首位打者を獲りましたが、掴んだ感覚を忘れずに今年も結果を出すことができるか。大事な年になると思います。打順に関しては、4番は森でも頓宮でも西川でもいいんじゃないかと。相手のブルペンに左ピッチャーがいれば左右ジグザグに組んでもいいでしょうし、左がいなければそうしなくてもいいのかと思います。

 あとは、ピッチャーとの相性も考慮して決めるでしょう。昨年は135通りのオーダーを組んだわけですから、今年もいかに繋げていくかを重視して打順を柔軟に変えていくんじゃないでしょうか。

【あらゆる面で「嫌な打線」】

――昨年の打線はつながりのよさだけではなく、一発もありました。

星野 そこも強みですよね。本塁打王がいるわけではないのですが、昨年のチーム本塁打(109本塁打)や長打率(.369)はリーグトップでした。森や頓宮には一発がありますし、杉本や(レアンドロ・)セデーニョが下位打線に入ったりもするので相手は怖いですよね。

 選手も打順も自在に変わるので、相手は「今日のオリックスは何番に誰が入るのか」といったミーティングがおそらくできない。全員で戦っているので「誰かをマークすればいい」という打線ではないですし、右バッターと左バッターの人数のバランスもよく変幻自在です。

――ここ数年、オリックスには勝負強いバッターが多い印象です。それほどアベレージは高くなくても、大事な場面で打つシーンをよく目にします。

星野 ほかのチームも同じかもしれませんが、キャンプではみんなが逆方向に打つ練習を徹底していましたし、センターを中心に打ち返す練習をしていました。当たり前のことを練習で徹底しているからこそ、試合の"いざ"という場面で打線がつながるんだと思います。頓宮も「センター返しを徹底したことが結果につながった」と言っていましたしね。

 それと、ボールゾーンの球は、全員が自信を持って見逃がしますよね。選球眼の部分でも練習から徹底している。昨年までのリーグ3連覇はピッチャー陣の頑張りが注目されがちですが、勝負強い打線があったからこそだと思っています。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る