「将来の首位打者候補」高木豊が期待する若手の左バッター3人 西武で2年目、ロッテでモデルチェンジに効果が見える選手も (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【ロッテの藤原がモデルチェンジ】

――ほかに注目しているバッターは?

高木 ずっと注目しているのですが、「殻を破ってほしい」という意味でロッテの藤原恭大(6年目)を挙げておきます(3月10日のソフトバンクとのオープン戦で、右膝に自打球を当てて骨折。3カ月程度離脱する見込みと発表)。

 今年はタイミングの取り方を変えていますね。以前は右足を上げてタイミングを取っていましたが、今は体の反動を使って打つのではなく、足を上げない「ヒールダウン打法」でミートに徹するタイミングの取り方に変えています。

 ホームランは彼の魅力のひとつではあると思いますが、それをある程度犠牲にしてでもミートに徹しようとしているのかなと。それでも、タイミングよく振って当たればホームランにはなると思いますが、アベレージ優先で「コンパクトにミートしていこう」という意識が見えます。足を上げていた時は体が前に突っ込み気味になっていましたが、その部分も解消されていました。

――オフのトレーニングの成果か、体がひと回り大きくなったように見えます。

高木 今までは線が細かったですが、プロでやっていくための体ができてきた、ということでしょう。あとは、彼がどんなバッターを目指すのか。甲子園で優勝した時は大阪桐蔭で4番を打っていて、ホームランを相当打っていた。そういったホームランの魅力に惑わされず、自分がプロでやっていくためのバッティングスタイルを確立できるかどうかが重要です。

 バッターのタイプとしては、ホームランは10本から15本で打率は3割、出塁率は.370以上の選手を目指してほしいですね。出塁すれば足も使えますし、藤原が1番にしっかり座ってくれたらロッテとしては大きいです。今年のタイミングの取り方は、そういうバッターになっていくためのモデルチェンジだと思っています。

――藤原選手のバッティングの長所は?

高木 全身のバネが効いているというか......つまり瞬発力ですよね。ボールを捉えた時の打球速度はすばらしい。守備の際の球際の強さなどにも関わることですが、瞬発力は持って生まれたいいものを持っています。

 その藤原と同じ6年目の、日本ハムのキャッチャー・田宮裕涼にも注目しています。

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