ソフトバンクのドラ1投手は「欠点らしい欠点が見当たらない」 元エース・攝津正が分析する若手投手たちと小久保新監督への期待 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【先発陣で「柱になる投手」は?】

――先発ピッチャー陣はどう見ていますか? 昨シーズンは、ふた桁勝利をマークしたのが有原航平投手(10勝5敗)だけでした。

攝津 先発の顔ぶれはほとんど変わらなそうですが、(リバン・)モイネロ投手が先発に転向しましたね。まだ状態はよくわかりませんが、昨年に左肘の手術をしているため、「どのくらい投げられるのか」という不安はあります。いきなりローテーションでフル回転させるのは少し怖いので、登板回数や球数は徐々に増やしていったほうがいいのかなと。

――コンディション以外でモイネロ投手に不安はないですか?

攝津 先発は球種が多いほうがいいと思いますが、彼は真っすぐ以外にチェンジアップ、カーブ、スライダー、カットボールを持っています。どの球種もめちゃくちゃいいので心配ないですが、問題は、リリーフで投げていた時のような良質のボールが投げられるかどうか。

 先発は長いイニングを投げなければいけませんし、ランナーが出てからのピッチングなど、リリーフの時とは状況がかなり変わります。クイックが苦手なタイプではないので、大丈夫だとは思いますけどね。

――キャンプで状態のよさが目についた先発ピッチャーは?

攝津 同じく先発に転向する2年目の大津亮介投手です。紅白戦や練習試合などで失点をしていますが、真っすぐの球威や変化球の精度などはよかったです。ルーキーイヤーだった昨シーズンは中継ぎで46試合に登板し、抑えたり打たれたり、いろいろな経験をしましたね。今シーズンはそれが生きるんじゃないかなと。もともとコントロールがよく、変化球はどれも精度が高い。真っすぐも速くてバランスのいいピッチャーなので、ある程度は勝つんじゃないかと見ています。

 東浜巨投手もよかったです。紅白戦では2回無失点と結果を出しましたが、真っすぐの走りがいいですし、シンカーなども効いていました。昨シーズンは有原投手や和田毅毅投手に続く柱がいなかったので、実績と経験のある東浜選手が復調してくれれば心強いです。

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