ソフトバンク打線は「1番に捕手を据えるのもアリ」OB摂津正が1番固定の問題、育成トリオ、右の大砲候補について語った (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

 特に仲田選手は内外野を守れて、強肩で俊足。かつスイッチヒッターですし、使いたくなる選手ですね。バッティングではボールに当てるのがうまい。割と足を高く上げますが、タイミングの取り方もいいと思います。

 緒方選手も足があって守備もいい。一方、本塁打が期待できるのが川村選手。リストの強さを感じますし、打球に角度をつけるのがうまくて長打力があります。今のところは3人とも順調にきていますが、オープン戦でもいいアピールを続けられるかでしょうね。

――ドラフト3位ルーキーの廣瀨隆太選手はいかがですか? 慶應大学時代に積み上げたリーグ通算の本塁打は、歴代4位の20本。「将来の右の大砲候補」として期待されていますが、対外試合でも本塁打を放つなど自慢の長打力を見せつけました。

攝津 まだミート率は低いのですが、芯に当たった時の打球はえげつない。それほど身長は高くないのですが、体はゴツいですし、今後の成長が楽しみなバッターです。リチャード選手や正木智也選手など、生え抜きで右の大砲候補は何人かいますが、廣瀨選手はいい刺激になるんじゃないですか。

 柳田選手や中村選手、今宮選手らは今でも主力選手ですが、いつまでも頼ってばかりはいられません。先ほどキャッチャーの話をしましたが、どのポジションでも生え抜きの若手選手がどんどん台頭してほしいですね。

【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)

1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後、社会人のJR東日本東北では7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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