中田翔が「らしさ」全開 キレイごとを言うつもりはさらさらなし 「記憶に残る選手でありたい」 (2ページ目)

  • 村瀬秀信●文 text by Murase Hidenobu

【誰に何を思われようが構わない】

── プロ野球選手として圧倒的な存在感を感じます。最近では野球界だけでなく社会全体が品行方正を求められ、息苦しさを感じることもありますが、中田さんは中田翔を貫くことに迷いはないですか?

中田 まぁ、僕自身はもともとがこういう性格なんで、言いたいことを言ってしまうし、これまでにもいろんなことがあって、皆さんに迷惑をかけたこともたくさんありました。やっぱりこういうキャラクターだと、良くも悪くも周りからもターゲットにされやすいんでしょうね。ちょっとしたことで「なんだコイツ」と叩かれてしまうし、実際に耳にも入ってきます。

 いまの選手たちは本当に気を遣っていますよ。たとえば普段の選手同士の会話を抜かれて「なんだアイツ、偉そうに」とかなってしまう。そういう世の中になっていることは仕方がないのかもしれないですが、周りの目を気にしてやりたいことをやれなくなるぐらいなら、最初からやらないほうがいい。人生もそうですし、野球人生も一回きり。僕は別に誰に何を思われようが構わないので、周りの目を気にしないで、自分の思うことをやらせてもらっています。

── 自分と自分を応援してくれるファンのためにも中田翔らしくありたいと。

中田 いや、もう35歳にもなって、そういうキレイごとを言うつもりはさらさらありませんよ。ファンの皆さんに対しても、僕から「中田翔を応援してください」と言うつもりは一切ないです。

── また......物議を醸しそうなご発言ですね。大丈夫ですか?

中田 ずっと中田翔を応援してくれている人たちのために頑張りたいという気持ちは本心ですし、感謝の気持ちもすごく強い。その気持ちはウソじゃないです。でも、ずっとプロの世界でやってきて、僕のことを応援してくれる人もいれば、気に入らない人たちもたくさんいることを見てきました。もちろん、みなさんに応援してもらえればそれほどありがたいことはないんですけどね。そこは勝負の世界です。

 100人ファンがいたら100人のアンチがいる。このキャンプでもたくさんの人が応援してくれて、本当にうれしかったし、感謝していますけど、僕からは「応援してください」とは言わないです。その人たちの期待を裏切りたくないという気持ちですかね。それには結果を残すことでしか応えられない。そういう世界ですからね。うん。

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