中田翔が語るプロ17年目の覚悟「野球人生のラストスパート。結果がダメだったら辞めるだけ」 (2ページ目)

  • 村瀬秀信●文 text by Murase Hidenobu

── ドラゴンズは、2年連続最下位と苦しい状況が続いています。ベテランの人たちとはどんな話をされているのですか?

中田 いろんな話をしましたよ。本当に。純粋に、このチームで勝ちたいということも。どうすれば強くなるかということも。でもハッキリと言えることは、僕がひとり入ったからって、チームはたいして変わらないんですよ。うん。じゃあ、何をどうすれば優勝できるチームになるのか。それは選手間での意思疎通や一人ひとりの意識の部分。やっぱりそういうところでね、少しでもチームが強くなるためのことができればなとは思っています。ドラゴンズには才能のある選手がいますからね。バッターを見ても「すげぇな」って思いますもん。

── 具体的には誰が目につきましたか。

中田 細川(成也)くんにしても鵜飼(航丞)くんにしても、ものすごいですよ。まだあまり話はできていないんですけど、いや、すごい。彼らみたいに打球を飛ばせる選手は日ハムでもジャイアンツでも見ませんでした。飛距離だけなら(岡本)和真より飛ばしてたんとちゃうかな。もちろんね、技術の部分になると話が変わってきますし、試合勘というか、打席での経験も必要になってくるでしょうし。それはこれから培っていくのだと思いますが、勝ちに対しての貪欲さであったり、飛ばす力があることは間違いない。ものすごく楽しみではありますね。

【中日移籍を決めた理由】

── 入団会見では「一から出直す」という決意表明がありました。中田さんがリセットしたもの、これから新たに構築しようとしているものとは何でしょうか。

中田 リセットというよりも「単純に試合に出られる可能性がある」「またスタートラインに立たせてもらえる」ということに対して、素直に喜びを感じているということですかね。またここからレギュラーを競って、勝ちとらなければならないですけど、でもそのスタートラインに立たせてもらえているんでね。そこは、ホントにうれしいなと思います。一方で、僕の場合はプロ17年目です。若い子たちとは違って、野球人生のラストスパートなので、これで結果がダメだったら辞めるだけ。それがプロの世界ですからね。

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