「早急に作らないと大変なことになる」佐々木朗希らが要望する「ポスティングでのメジャー移籍」に高木豊が危機感「12球団統一のルールを」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――獲る側にもさまざまな考え方があるでしょうね。

高木 獲る側が「まだ22歳で若いし、慌てることはない。すぐに活躍してくれなくていい」というスタンスであれば、それで十分です。選手がメジャー移籍を志願しても、今は所属している球団の判断次第ですが、はっきりとしたルールがないから球団と選手が揉めたとしても仕方ないです。

 統一契約書には選手側に辞める権利があるわけで、仮に佐々木が辞める権利を行使し、それを知ったメジャーの球団が佐々木にアプローチして契約することも、可能性は限りなく低いにしてもゼロではありません。ルールがなければ、普通では考えられないこと、あまり想像したくないようなことが起こり得る。選手はFA権を取得するまでは立場が弱いですが、その前に最終手段として「辞めます」と言ってメジャーの球団と契約されたら終わりですよ。

――12球団統一のルールを作らなければいけない?

高木 早急に作らないと大変なことになるでしょうね。メジャーでトップクラスの活躍をする日本人選手が増え、国際大会でメジャーの球場を体感する機会も多いですし、昔と比べて今はメジャーがものすごく近い存在になっています。

 大谷や山本の契約金は異次元ですし、今永昇太(カブス)の契約金だってすごい。日本で数十年プレーしなければ稼げないような金額を数年で手にできるわけですし、すぐにメジャーに行きたくなっても不思議ではないです。早くルールを作らないと、今後も有力な選手はどんどんメジャーに行ってしまうでしょう。もちろん、流出することを懸念しているわけではなく、球団と選手、そしてファンが納得した上で海を渡ってほしいということです。

【具体的にどんなルールが考えられる?】

――大谷選手や山本選手の契約は、メジャーリーグが日本野球のレベルの高さを認めた証拠とも言えますね。

高木 本当に日本人選手のレベルが上がっていますし、佐々木のような能力が高い選手はこれからも出てくるはず。"素材は完全にメジャー級"という選手は、見る人間が見ればわかりますしね。プロ野球ではなく最初からメジャーに行きたい、メジャーの球団からドラフト指名されたい、という選手も出てくるでしょう。

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