「高橋奎二には怒鳴る寸前までいきます」ヤクルト髙津臣吾監督が真中満の投手陣への鋭い指摘に本音を明かす (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • 田中 亘●撮影photo by Tanaka Wataru

【奥川恭伸に対する期待と不安】

真中 みんなが心配しているのが奥川恭伸です。どうしても、(同い年の)佐々木朗希や宮城大弥と比較してしまうけど、奥川君はどうですか? ファンの期待も大きいですけど。

髙津 それはやっぱり、みんなが期待しますよね。2021年には、あれだけいいピッチングを見せてくれたわけですから。期待は大きいんだけれども、不安も大きいというのが、正直なところですかね。

真中 不安というのは、やっぱりコンディション面ですか?

髙津 登板間隔とか練習内容とか、彼にとって何が正解なのか? それをずっと見極めているところなんだけど、なかなか正解が見つからない。登板間隔はもっと空けたほうがいいのか、球数を少なくしてもっと詰めたほうがいいのか? 僕自身も手探りの日々が続いています。

真中 秋季キャンプで登板をしたという情報もあるけど、焦らずに、でも、そろそろ結果もほしいという悩ましい状況ではありますね。

この記事に関連する写真を見る髙津 2022年、2023年と満足に投げることができなかった。ケガしてしまったことはもうしょうがないので、せめてこの期間で考えたこと、経験したことを自分の成長につなげるようにしてほしい。僕自身は、そうとらえるようにはしていますけどね。

真中 僕自身も監督時代に思っていたけど、頼りになる柱は、1本でも2本でも、多ければ多いほどいいわけだから、ぜひ誰かが出てきてほしいところですね。

髙津 「大黒柱」とは言わないから、せめて細い柱でもいいから1本でも2本でも出てきてほしいというのが本音ですよ(苦笑)。春季キャンプでそれを見極めていくつもりですけど、本当に誰か出てきてほしい。それが、偽らざる本音です。


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【プロフィール】
髙津臣吾 たかつ・しんご 
1968年、広島県生まれ。広島工高、亜細亜大を卒業後、1990年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。守護神として活躍し、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年、MLBシカゴ・ホワイトソックスへ移籍。その後、ヤクルト復帰や、韓国、台湾のプロ野球、独立リーグ・新潟アルビレックスBCを経て、2012年に現役引退。ヤクルトの一軍投手コーチや二軍監督を務めたのち、2020年から一軍監督に就任。2021年は日本一、2022年は2年連続リーグ優勝を果たした。


真中満 まなか・みつる 
1971年、栃木県生まれ。宇都宮学園、日本大を卒業後、1992年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。2001年には打率.312でリーグ優勝、日本一に貢献した。計4回の日本一を経験し、08年に現役引退。その後、ヤクルトの一軍チーフ打撃コーチなどを経て、監督に就任。15年にはチームをリーグ優勝に導いた。現在は、野球解説者として活躍している。

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