「ヤクルトに足りないもの」を髙津臣吾監督が真中満に明かす 2024年は「選手たちの尻をどんどん叩いていく」 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • 田中 亘●撮影photo by Tanaka Wataru

【タイガースの強力投手陣を打ち破らねば】

真中 さて、2023年は阪神タイガースが圧倒的な強さを見せたわけですけど、当然、打倒・タイガースということになります。やっぱり、投手力が圧倒的でしたよね。

この記事に関連する写真を見る髙津 これはもう間違いない。青柳(晃洋)とか、伊藤将司がいいのはわかっていたけど、それに加えて村上(頌樹)が10勝、大竹(耕太郎)が12勝、ふたりで22勝でしょう。リリーフ陣も豊富だったし、そうなると、なかなか点がとれない。逆にうちの場合は、前年に7勝の高梨(裕稔)、8勝の原(樹理)がともに0勝。この差はやっぱり大きかった。

真中 打線ではヤクルトも負けていないんだけど、それ以上にタイガース投手陣の内容がすごい。それは紛れもない現実でしたよね。

髙津 何しろ、開幕投手(青柳)を日本シリーズ第7戦で使うんだから、とにかく顔ぶれが豊富でしたね。村上は明らかにボールが低い。コーナーのコントロールもすごくいい。一方の大竹は、純粋なストレートはほとんどなくて少しずつ動いているので、バッターからしたら打ちづらいでしょうね。何とかして、タイガース投手陣を攻略しないといけない。その思いは強いです。

真中 カープの新井貴浩新監督もいい戦いをしていたように見えたけど、監督としては、高校の後輩でもある新井監督のことをどう見ていましたか?

髙津 じっくりしゃべったことがないのでよくわからないけど、なかなかおもしろい発想をするなと思って見ていました。ピッチャーの継投はオーソドックスだけど、攻撃面では「おっ」と思うような作戦はいろいろありましたね。それが、新井監督の考えなのか、藤井(彰人)ヘッドコーチの作戦なのかはわからないけど。

この記事に関連する写真を見る真中 それにしても、マツダスタジアムではなかなか勝てなかったですね。その逆に、神宮のカープ戦では強さを見せつけましたけど。

髙津 9回あとひとりのところでフォアボールを出して、秋山翔吾に初球をカーンと打たれてサヨナラホームランで負けた試合もあったけど、マツダスタジアムでは、大差で負けるんじゃなく、気づいたら負けているという試合が多かったですね。これは、雰囲気とか、流れとか......。

真中 何か気持ち悪いなと感じるものがあるんですよね。

髙津 そう、ホントに気持ち悪いなという感じで相手に流れを持っていかれてしまっている。この点も、どうにかしないといけないと思っていますね。

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