ヒロド歩美は阪神・村上頌樹のブレイクに「高校時代から見てきた思い入れ」で感慨 アレな1年を語る (2ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【高校時代から選手の活躍に感慨】

ーーヒロドさんは『熱闘甲子園』を8年間担当なさっていますが、やはり高校時代から見てきた選手たちが活躍するとうれしいでしょうね。

 もちろんです。それこそ今季大活躍した村上頌樹投手は、智弁学園(奈良)3年の時にセンバツで優勝投手になっていますし、高校時代から見ていた選手なので、すごく思い入れはありますね。先日も村上選手にインタビューさせていただいたんですが、いまや新人王とMVPを獲得した選手ですし、なんか過去を振り返ると感慨深いものがありました。キラキラとした日々というか。

この記事に関連する写真を見るーーそうでしょうね。

 そういえば今年、村上選手が参加した青柳晃洋投手の自主トレを取材したんです。村上選手は前年のイースタン・リーグの投手2冠(最優秀防御率&最高勝率)。青柳選手も「一軍で活躍してほしい」という思いが強く、村上選手を自主トレに誘って考え方のアドバイスをしたそうです。そういう意味では、皆で勝ちとった新人王とMVPなんだって村上選手を取材して思いました。

ーー青柳選手もうれしかったでしょうね。

 すごく喜んでいました。青柳投手本人の話だと、その自主トレの時、つまり開幕前に言っていたのが「このシーズンは、自分で始まって、自分で終わりたい」と。

ーー日本シリーズ第7戦前に、岡田監督が青柳選手にかけた言葉と一緒ですね。

 そうなんです。青柳さんからはエースの覚悟を感じましたし、岡田監督の言葉も含めて、すごいことが起こったシーズンだったんだって、あらためて感じましたね。

ーー村上選手しかり、レギュラー組はもちろん選手層を見ても有望な若い選手が控えていますし、巷では阪神に黄金時代が来るのではないかと言われていますが。

 いちファンの思いとしては、そうなってくれたらうれしいですし、岡田監督は来シーズンに関して「また普通にやればいいだけ」とおっしゃっていたので、その言葉を信じるだけです。私が楽しみにしているのは、ちょっと気の早い話なんですけど、今の主力選手たちが将来、コーチや監督になった時、この経験が新たなチームに引き継がれるんだなって思うと、わくわくするんですよ。

ーーそこまで考えているんですか?

 目先のことじゃなく、未来に向けていい流れができればいいなって。38年前の日本一の時と比べれば、今のチームは主力が若いと言われていますし、まずはしばらく強い阪神が楽しめると思っています。

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