2023年野球界10大ニュース 球界をざわつかせた事件、現役ドラフトの明暗、超大物の決断... (4ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki

謝罪会見で頭を下げる山川穂高 photo by Sankei Visual謝罪会見で頭を下げる山川穂高 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【山川穂高、安樂智大...相次ぐ不祥事発覚】

 知名度が高ければ高いほど、光と同じくらいに影も際立ってしまう。プロ野球の世界も例外ではなく、常に不祥事と隣り合わせである現実にも目を背けてはいけない。今年はそれが浮き彫りとなってしまった。

 WBCの世界一で日本中が歓喜に沸いた直後に水を差してしまったのが、侍ジャパンに名を連ねていた山川穂高だ。

 昨年11月の女性トラブルが明るみとなり、5月に実戦から離れた。9月には警視庁に書類送検されたことで、球団が無期限の公式戦出場停止処分を決定。シーズン後のフェニックスリーグから戦列に復帰したが、オフにFAでソフトバンクへ移籍したことも物議を醸した。

 この間、「西武との連絡を怠った」と解釈されるような報道も飛び交うなど山川の誠意に欠けた対応も話題となってしまった。西武ファンにとっては後味が悪く、ソフトバンクファンの心証としても煮え切らない着地点となってしまったことが残念でならない。

 楽天の安樂智大のハラスメント行為も、社会的な倫理観を問われる大事件となった。後輩選手に対して試合日のロッカールームで屈辱的な行為を強制したり、罵詈雑言を浴びせる、ミスをすれば「罰金」と称して現金を徴収する......。球団の調査によると、被害を受けた選手は10人、ハラスメント行為を見聞きしたのが約40人と発表があった。一連の騒動によって、安樂は事実上の解雇を意味する自由契約という重い処分を科せられた。

 また不祥事ではないが、管理体制を疑問視されたのが中日の"令和の米騒動"である。8月、現役ドラフト入団でブレイク中だった細川成也が不振に陥ると、立浪和義監督が「米の食べ過ぎだ」と試合前は断つよう促した。すると細川の調子が改善したため、選手食堂で米類が小さな具材なしおにぎりしか提供されなくなったという。これが選手間の不満として明るみに。メディアからのバッシングというより、SNSでネタにされてしまった。

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