オリックス打線は西川龍馬の加入でどう変わる? 星野伸之が打順や個々の役割を分析 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――池田選手は体つきもすごいですよね。

星野 そうなんです。身長は低い(172cm)ですが、ガッチリしていてパワフル。池田もレギュラー争いに加わってくると思うので、他の野手たちはうかうかしていられないと思います。中嶋監督は常にレギュラー争いをさせている感じですし、リーグを3連覇はしても、「チームは完成していない」という感覚なんでしょうね。

――中嶋監督は、新入団選手発表会見で「3連覇しているレギュラー陣は高い壁」と話す一方、「そんなに高くない壁もいる」と新入団の選手たちに発破をかけました。

星野 うまく煽りますよね(笑)。今年頑張った選手は年俸も上がっているわけで、「来季もこのポジションでいけるかな」と思うじゃないですか。でも、ルーキーに向けてそういう話をして、今いるメンバーを安心させないという意図が見える。オリックスでは毎年のことですが、来季のレギュラーは蓋を開けてみないとわかりません。結果的に今年のベストナインに選ばれた紅林弘太郎は、開幕を二軍で迎えていたわけですし。

 それと、野口智哉も大きく成長するかもしれません。彼はすごく肩がいいので外野も守れますし、今年は開幕でショートを守っていました。あとは課題のバッティングがよくなれ出場機会も増えるかなと。

――レギュラー争いは来季も激しくなりそうですね。リーグ4連覇に向けて得点力向上が鍵になる?

星野 そうですね。大エースの由伸が抜けた分、投手陣はもちろん、野手陣に頑張ってもらわないといけません。3連覇の最初のシーズン(2021年)は投手陣がすごく粘って相手チームの打線を抑え、試合終盤の勝負どころでワンチャンスを生かして勝っていた印象もあった。でも来季は、先ほどもお話したように打つほうで動いていきそうだなと。どういう戦術で攻めていくのかはキャンプで準備していくでしょうし、楽しみです。

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

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