山本由伸・山崎福也の穴を埋めるのは誰か 星野伸之が考える来季のオリックス先発陣 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――カードの初戦など、山本投手が務めていたポジションを任せる一番手として考えられるのは宮城大弥投手でしょうか。

星野 実績から考えれば宮城でしょうけど、中嶋監督はあまり"線引き"をしないと思います。実績がなくても、いい球を投げていたらその投手を抜擢するはず。今年の開幕戦に、実績がない舜平大を抜擢したこともそう。東がいい球を投げていれば、来シーズンは東がそのポジションを務めるかもしれませんし、その都度調子がいい選手を起用していくと思います。逆に、試合で投げさせてダメだと思えばすぐに別のピッチャーを試すでしょうし、思い切ったことをするのも平気な監督なので。

――今年に台頭した東投手はシーズン負けなし(6勝0敗、防御率2.06)。CSでも日本シリーズでも好投して勝ち投手になりました。来シーズンに向けて頼れる存在だと思いますが、どういった部分が優れていますか?

星野 三桁の背番号をつけている時(育成時代)に投球を見たことがあるんですが、カーブをほとんどストライクゾーンに投げ込めていたので、「支配下登録されるのも近いだろうな」と思っていたんです。ただ、予想以上に成長しましたね。

――カーブ以外にもカットボール(約14%)、ツーシーム(約7%)、スライダー(約10%)、シュート(約8%)、チェンジアップ(約8%)を投げますし、各球種の割合がほぼ均等なため、バッターはかなり惑わされるんじゃないかと思います。

星野 どの変化球も精度が高く、ストライクが取れる。さらに150km台中盤の真っ直ぐ(今年の最速は155km)を持っているわけですから、緩急も使えます。左のエースは宮城ですが、右のエースの座は東と舜平大が争うんじゃないかと思います。

【リリーフに回った山本、新加入の吉田の起用法は?】

――先発候補といえば、山岡泰輔投手はどう見ていますか?今シーズンは途中からリリーフに回りましたが。

星野 僕の考えでは、山岡はやはり先発のほうがいいです。今年の山岡は、序盤は防御率がよかった。一緒に勝ち星がつけば気持ちも乗っていけたと思うのですが、山岡が先発の時に打線が打てなかったですね。ローテーションの中で誰かがそうなってしまうのは、ありがちなことではあるんですけど。なので、山岡のピッチング内容が悪かったわけではないんです。

 ただ、他のピッチャーは勝ち星を積み重ねていましたし、精神的に難しい部分があったんじゃないかと。リフレッシュの意味もあってのリリーフ起用だったと思います。

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