山本由伸・山崎福也の穴を埋めるのは誰か 星野伸之が考える来季のオリックス先発陣 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――球種はスライダー、フォーク、カットボール、カーブがあり、初登板の西武戦の球種の割合は真っ直ぐ約65%、スライダー約17%、フォーク約8%、カットボールとカーブがそれぞれ約5%でした。ピッチングの組み立てをどう見ていましたか?

星野 登板数が少ないですし、球種とそれぞれの割合を見ても、ウイニングショットが何になるかはまだわかりませんね。

 ただ、一軍初登板とは思えない落ち着いたピッチングをしていました。プレーボール直後の初球がすごくいいコースにズバッと決まっていて......今の若い選手は緊張とかしないんですかね(笑)。今年の開幕投手を務めた舜平大も「そんなに緊張はしなかった」という談話を残していましたし。

――ちなみに、星野さんはプロ初登板の際に緊張しましたか?

星野 そりゃあ、しましたよ(笑)。プロ初登板や開幕戦はもちろん、シーズン中のどんな試合でも緊張していました。でも、齋藤みたいなピッチャーが出てくると、同じ若手の椋木蓮や曽谷龍平らも「負けていられない」という気持ちになると思いますし、いい刺激になるでしょうね。

 やはり今年にプロ1年目のシーズンを過ごした曽谷は、7試合に先発して1勝2敗となかなか勝てませんでしたが、打たれる中ですごくいい経験をしたと思うんです。そして、シーズン最後の試合でプロ初勝利を挙げた(10月9日のソフトバンク戦で6回1安打無失点)。ひとつ勝てて来年へ向かうことができるのは、気持ちの上ですごく大きいです。

【"ポスト山本"=宮城とは決まっていない】

――山本投手と山崎投手が今年に挙げた勝ち星は合計27勝(294.1イニング)。ふたりが抜ける穴は大きいですね。

星野 それは間違いなく大きいです。その穴を埋める候補はここまで話した齋藤や椋木、曽谷をはじめ、たくさんいますが......由伸ぐらいの信頼度というのは当然難しい。舜平大や東もいいピッチャーなのですが、シーズンを通してローテーションを守った経験はないですから。なので、先発ローテーションを決めるのは難しい作業になると思います。

 それと、由伸は長いイニングを投げてくれていたので、由伸が投げる試合はリリーフを休ませることができていた。特に、長い連戦の最初の試合ではあまりリリーフを使いたくないのですが、来年は先発が短いイニングで降板した時のリリーフのやり繰りが課題になりそうです。

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