元巨人プロスカウトが明かす木佐貫洋のトレードの舞台裏 交換要員を伝えられた原監督は「高木? 誰?」 (4ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi

 昨年から開催された現役ドラフトについては、どんな思いで見ていたのだろうか。

「現職の頃から現役ドラフトの話は少し聞いていました。最初は各球団から10人程度を候補にするといった案もあったようで、それからもさまざまな議論があったようですね。課題も出てくると思いますが、まずは続けることでしょう。どんな形であっても、選手の可能性を求めて、プロ野球界の活性化につながるような現役ドラフトになればいいと思います」

 最後に元プロスカウトの立場として、香坂氏はこう語る。

「選手たちは戦力として必要とされない時が来れば戦力外となります。各球団のプロスカウトは他球団の戦力外選手のなかで、自チームならばまだ力を発揮できると判断した場合は再契約を検討します。また戦力外選手の進路になる独立リーグやアマチュア野球関係ほか、多くの問い合わせの窓口になるなど、選手救済のための"お手伝い"も行なっています。球界の財産である選手に対して、最後まで関わっているのがプロスカウトの仕事でもあります」

 その思いは、現場を離れた今でも変わらない。


香坂英典(こうさか・ひでのり)/1957年10月19日、埼玉県生まれ。川越工業高から中央大を経て、79年ドラフト外で巨人に入団。4年目の83年にプロ初勝利を挙げるも、翌年現役を引退。引退後は打撃投手をはじめ、スコアラー、広報、プロスカウトなどを歴任。2020年に巨人を退団し、21年秋からクラブチームの全府中野球倶楽部でコーチを務めている

プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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