セ・リーグGグラブ受賞選手を飯田哲也がチェック 菊池涼介を破った中野拓夢の評価は? (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 三塁手は宮﨑敏郎選手(DeNA)が自身2度目の受賞となりました。

飯田 村上宗隆選手(ヤクルト)が22失策、佐藤輝明選手(阪神)が20失策......その点、宮﨑選手は9失策と安定感が評価されました。

── ショートは木浪聖也選手(阪神)が選出されました。

飯田 今シーズンについては、木浪選手で順当だと思います。肩が強く、ダブルプレーを多くとった印象があります。一方、ゴールデン・グラブ賞の常連だった坂本勇人選手(巨人)がシーズン途中から三塁に回りました。その坂本選手に代わりショートに入った門脇誠選手(巨人)について「どうですか?」とよく聞かれますが、まずはショートのレギュラーとして1年間プレーすること。そこでどういう評価がされるかでしょうね。

── 外野手は近本光司選手(阪神)が3度目、岡村勇希選手(中日)、桑原将志(DeNA)が2度目の受賞になりました。この3人についてはどうですか。

飯田 私は外野が本職ですが、名外野手の条件は3つあります。1つ目が、捕れる打球を確実に捕球する。これはポジショニング、スタート、捕球技術が重要になります。2つ目が、走者を進塁させない。捕球技術はもちろんですが、打球へのチャージ、送球の強さ、正確性が必要になります。3つ目は、安心感です。「アイツのところに飛んだら大丈夫」とチームメイトから思われること。選ばれた3人については、すべて条件を満たしていると思いますし、近本選手ついては最多の287票でした。

 もうひとつ言わせてもらえば、ダイビングキャッチは終盤の勝負どころでの最後の手段なので、試合序盤に試みて、二塁打、三塁打にしてしまったら意味がありません。それ以前に捕れるか否かの判断を的確にしないといけない。それにしても過去に9回受賞の大島洋平選手(中日)、7回受賞の丸佳浩選手(巨人)らの常連が姿を消し、フレッシュな顔ぶれになりましたね。

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飯田哲也(いいだ・てつや)/1968年5月18日、東京都生まれ。拓大紅陵高3年時に春夏連続して甲子園に出場し、86年ドラフト4位でヤクルトに入団。捕手として入団するも、野村克也監督に俊足、強肩を買われ外野手に転向。91年から97年まで7年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得し、ヤクルト黄金時代の名手としてチームを支えた。05年に楽天に移籍し、翌年現役を引退。引退後はヤクルト、ソフトバンクでコーチを務め、20年より解説者として活躍

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