セ・リーグ選手のFA戦線を高木豊が予想 出場減の巨人・中田翔、ヤクルトの田口麗斗など最適な球団は? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【広島・西川が移籍するなら巨人もいいかも?】

――続いて、石田健大投手(DeNA)はいかがでしょうか。今季は5年ぶり3度目の開幕投手を務めるなど23試合に登板しましたが、勝ち星には恵まれませんでした(4勝9敗)。

高木 今永昇太がメジャー移籍で抜けるかもしれませんが、東克樹もいてDeNAの先発の左投手としては3番手。そのポジションを、本人がどう考えているかですよね。チームとしては、いてくれたほうがいいですよ。試合を作れるピッチャーですし、今年に勝ち星がついてこなかったのは打線との絡みなので。10勝する力は持っていると思います。

 ただ、石田は環境を変えたほうがいいかもしれません。現状では10勝しても10敗してしまう感じで、リリーフをやっていた時期もありますが、ここ数年は勝ち星を伸ばせていません。環境を変えたら、また違った新たな石田が見られそうな気もします。

――ソフトバンクが動向を調査中という報道も出ています。

高木 環境を変えるという意味では、パ・リーグの球団に移籍するのはいいと思います。バッターが慣れていない環境でやるのが一番かなと。

――続いて野手についてですが、今季、セ・リーグ2位の打率.305をマークした西川龍馬選手(広島)はいかがでしょうか?

高木 彼の性格は「我が道を行く」という侍のような感じですが、広島は4番として起用したり、ケガ明けでもすぐに主軸で使ったりと、大事に扱っている印象があります。彼がそれをどう感じていたのか、ということになると思いますが、違った環境で己を高めたいと思うのであれば、獲得調査に動いているというオリックスは面白いと思います。

――今年は単年契約でしたが、残留の可能性についてどう見ていますか?

高木 あると思いますよ。残留する場合は複数年契約になるでしょうね。今年に単年契約にしたのは、新しく新井貴浩監督になったので「どう起用されるんだろう?」と様子を見たかったのかもしれません。その点では優遇されていたと思いますが、判断材料としては金銭的な部分も大きいでしょうし、他球団が広島より金額が大きいとなれば、評価が高いほうを選ぶ可能性はあるでしょうね。

――ソフトバンクも獲得調査に動いていると言われています。

高木 対ピッチャーのことを考えると、外野陣の層が薄い巨人もいいかもしれません。巨人に獲得の意思があればの話ですが、球団としても外野のポジション争いを激しくして底上げをしたいでしょうから。

 パ・リーグはパワー系のピッチャーが多いので、それをどう捉えるのかということになる。先ほど話したように、仮にオリックスに移籍したら自分のチームの強力ピッチャー陣と対戦することはなくなりますが、他球団のピッチャーもすごいですから。そう考えると、移籍するなら巨人をはじめセ・リーグのチームがいいのかもしれません。

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