「球場にエンタメは必要か?」...「飛行パフォーマンス」「湘南乃風のライブ」など横浜DeNAが仕掛けたイベントの裏側 (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

【ライブ中止も湘南乃風とロッカールームで大合唱→後日にリベンジ】

横浜DeNAは屋外の横浜スタジアムを本拠地としていることもあり、イベント開催に向けてさまざまなリスクが伴う。

「当日の天候や延長戦のことを考えると何もできなくなってしまうので、さまざまな状況を想定しながら準備を進めていますし、ゲストの方にも変更をお願いすることがあることはあらかじめお話しさせていただいています」

 4月27日の『BLUE☆LIGHT SERIES 2023 〜SPRING〜』(対ヤクルト)では、試合が延長戦に突入。チームはサヨナラ勝ちを収めたものの、パフォーマンスが許される時間を過ぎてしまったことから、予定されていた湘南乃風のライブが中止になるという一幕もあった。

 勝利を喜びつつも「歌いたかった」(HAN-KUN)という湘南乃風のメンバーは、ファンに向けてアカペラで『純恋歌』を披露。さらに、試合を終えた選手たちと一緒にロッカールームで『睡蓮花』を大合唱する様子は球団公式YouTubeで配信され、大きな反響を呼んだ。

 その後、7月16日の『BLUE☆LIGHT SERIES 2023 〜SUMMER〜』(対広島)で再登場した湘南乃風は、試合後の青く染まったスタジアムで3曲を披露し、リベンジを果たした。

7月16日の湘南乃風によるライブ(c)YDB7月16日の湘南乃風によるライブ(c)YDBこの記事に関連する写真を見る「残念ながら試合に負けてしまった(2-3)後だったので不安はありましたけど、多くの方にライブを楽しんでいただけたのではないかと思っております。

 ファンの中には『果たして球場にエンタメは必要なのか?』と疑問を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、横浜スタジアムで楽しい思い出を作ってもらうことが僕らの役目でもあると考えています。他球団や他のスポーツもエンタテインメントに力を入れていますが、エンタメでも球界一、世界一を目指して、これからも頑張っていけたらと思っています」

 さまざまな感動を巻き起こしたチームはシーズンを3位で終えた。多くのファンの声援を受け、横浜DeNAは来シーズンにさらなる飛躍を目指す。

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