中学時代0本塁打の鵜久森淳志はプロに注目されるため高校でホームランバッターへと変身し、日本ハム入団を果たした (4ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

── 栗山英樹監督が就任したこの年、ファイターズはリーグ優勝を飾りました。しかし、鵜久森さんは2013年に22試合、2014年に24試合しか一軍で起用されませんでした。プロ11年目のシーズンとなった2015年。二軍で10本塁打を放っても一軍では結果を残せず(出場試合は3。ヒットなし)、10月に戦力外を通告されました。日本ハムでの11年間で放った本塁打は6本でした。

鵜久森 バッティングが好調の時に骨折して、それを隠しながらプレーしたこともありました。せっかくもらったチャンスをムダにしたくない一心でした。そうしないと生き残れない世界だし、到底、年俸は上がっていきません。

── 2015年の年俸は960万円でした。

鵜久森 レギュラーになれないと、年俸は上がりません。戦力外になるんじゃないかと真剣に考えたのはプロ9年目くらい。そのあとは、毎年、危ないと思っていました。

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鵜久森淳志(うぐもり・あつし)/1987年2月1日、愛媛県生まれ。済美高3年時に春のセンバツ大会で初出場・初優勝を果たし、夏の甲子園では準優勝。大会後、高校日本代表に選出され4番を担った。04年ドラフト8位で日本ハムから指名を受け入団。右の長距離砲として期待されるもレギュラーに定着できず、15年に戦力外通告を受ける。トライアウトを経てヤクルトに入団すると、シーズン終盤は5番に定着。その後も代打として活躍するも、18年に戦力外となり現役を引退。現在はソニー生命のライフプランナーとして活躍中

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