解説者3人が占う2023年日本シリーズ 接戦必至の「関西ダービー」を制するのは? (2ページ目)

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◎野田浩司氏

 両チームとも先発陣が安定しており、リリーフ陣も強力で、先行すればかなりの確率で逃げ切れます。おそらくどの試合もロースコアの展開になるでしょう。それだけに先発投手の出来が勝敗を大きく左右するのではないか思います。

 とくに1戦目に登板する投手はシリーズの流れをつかむ意味もあり、かなり重要な役割を担っています。おそらく阪神は村上頌樹投手、オリックスは山本由伸投手に託すと思いますが、彼らがシーズンと同じようなピッチングができるか注目ですね。

 山本投手はロッテとのCSで、初回に3点を奪われるなど珍しく打ち込まれました。ただあの試合については、久しぶりの登板だったこともあり、いつものピッチングではありませんでした。フォークの落ちが悪く、いつもなら振ってくれるボールが見極められ、ストレート勝負にいったところを狙われた。修正能力の高い投手ですし、前回のようなピッチングをすることはないと思います。

 阪神からすれば、その山本投手をどう攻略するかがカギになります。キーマンは近本光司選手、中野拓夢選手の1、2番です。粘り強く、簡単に打ちとられるイメージがありません。また出塁すれば足を使って揺さぶってくる。均衡した展開になればなるほど、彼らの存在は大きくなります。

 一方、オリックス打線のキーマンは森友哉選手です。とにかく穴の少ないバッターで、どの球種でもフルスイングしてくる。投手からすればこれほど怖い打者はいません。阪神バッテリーも徹底マークしてくるでしょうが、能力の高さは球界屈指。簡単に抑えられるバッターではありません。森選手の前にランナーを出さないことが重要になってきます。

 シリーズの勝敗ですが、ともに所属したチームですのでどっちも勝ってほしいのが本音ですが、4勝3敗でオリックスと予想します。CSの戦いを見ても、選手がどっしりしている。ポストシーズン慣れしているなと感じました。阪神ファンの応援はすごいし、甲子園での戦いは独特の雰囲気がありますが、そのあたりも大丈夫かなと。経験値の高さは大きなアドバンテージだと思います。

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