中日はドラフトで貧打線解消へ 1位は地元出身の大学生スラッガー、2位は高校屈指の打てる遊撃手を推す (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

【1位は地元・愛知出身の強打者】

 中日は一昨年のドラフトで、1位・ブライト健太(外野手/上武大)、2位・鵜飼航丞(外野手/駒澤大)の「大砲候補」を獲得したが、いまだその兆しは見えていない。昨年も2位で村松開人(内野手/明治大)を指名。ルーキーイヤーの今季、セカンド、ショートを守り98試合に出場し健闘したが、彼はチャンスメーカータイプ。とにかく今の中日に必要なのはポイントゲッター、タイムリーが打てる打者だ。

 ルーキーにいきなりそんな大役を任せるのも酷な気がするが、今年のドラフト候補には期待に応えてくれそうなバットマンがいる。しかも、地元・愛知県出身だ。

 その選手とは、上田希由翔(明治大/内野手/182センチ・90キロ/右投左打)だ。高校(愛産大三河高)、大学で打線の中軸を担い、抜群の勝負強さを発揮してきた。

 来季は石川昂弥、細川成也が軸になりそうな中日打線だが、そこに左打ちのポイントゲッターが加わるとしたら、チームにとっては願ったり叶ったりのはずだ。

 問題は、何巡目で獲得するかだ。1位なのか、2位なのか......。

 最下位の中日はウェーバーとなる2位で、真っ先に指名できる。この"利"を生かして、「1位で投手を獲って、2位で上田」なんて欲をかいて、もし思いどおりにならなかったら......チームづくりは5年遅れる。

 上田が必要なら、何を置いてもまずは上田だ! それがドラフトというものである。

 逸材が揃う大学生投手に未練はあるかもしれないが、幸い、トミー・ジョン手術明けの梅津晃大がシーズン終盤で2年ぶりに一軍登板を果たし、9月25日の阪神戦では8回1失点に抑えるなど、"完全復活近し"をアピールした。

 ならば、上位はとことんスラッガーで固めよう。

 2位に推すのは、強打の遊撃手、横山聖哉(上田西/181センチ・83キロ/右投左打)。プロでもホームランを打てるパワーと瞬発力、とんでもない鉄砲肩も持っている。「打てるショートストップ」は、「150キロ投げられる投手」よりも明らかに少ない。なんとしてでもほしい逸材だ。

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