セ・リーグCSファイナルを高木豊が展望 阪神は広島とDeNAのどちらが戦いやすい? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【勝敗予想は?】

――ファイナルステージでの阪神の先発は、村上頌樹投手、伊藤将司投手、大竹耕太郎投手などが有力視されています。

高木 あとは西勇輝も入ってきそうですし、カギを握っているのはDeNAと相性がいい青柳晃洋だと思います。9月29日のDeNA戦では4回4失点と散々でしたが、それを首脳陣がどう考えるのか。相性がいいだけに投げさせたいでしょうが、墓穴を掘るわけにもいかないですし。

―― 一方で阪神のバッター陣ですが、短期決戦での大山悠輔選手、佐藤輝明選手がどんなバッティングをするかに注目が集まりそうです。

高木 そうですね。大山は4番として、安定して力を発揮していました。99個のフォアボール、出塁率.403はリーグトップ。そして5番の佐藤が、大山の出塁を活かして打点を稼ぎました(リーグ3位の92打点)。打線の流れがすごくよかったのですが、CSでもその流れを作れるかどうか。

 それと、今年の阪神の調子がいい時は、3番が機能している時なんです。(ジェルドン・)ノイジーが打っていた時期は連勝していましたし、森下翔太が3番に入って活躍した時もチームが勢いづきました。CSでは森下が3番に入ると思いますが、そこが機能するか、寸断されてしまうのかで得点力が大きく変わります。

――森下選手の状態をどう見ていますか?

高木 シーズン終盤は、明らかなボール球にも手を出していましたし、状態はあまりよくなかったです。フェニックス・リーグでいい調整ができればいいですが、岡田彰布監督はそのあたりもしっかり見るはず。ダメと判断すれば小野寺暖やノイジーを6番から3番に上げたり、他の選手を入れるんじゃないですか。森下に「CSを経験させてあげたい」という考えもあるかもしれませんが、何より優先されるのは日本シリーズ出場ですから、状態のいい選手を使うでしょうね。

――森下選手は打率が低くても、殊勲打を打つ印象があります。

高木 勝負強いですよね。打率が低くても、打ってほしい時に打っていました。大舞台で強さを発揮する、"持っている"選手かもしれません。リーグ優勝が決まってからは、達成感もあったのか状態がガタガタになりましたけど、調子を戻してくるでしょう。

――阪神がDeNAと対戦した場合の勝敗はどうなると思いますか?

高木 甲子園ですし、お互いのピッチャ―の質の高さを考えるとより本塁打は出にくいはず。打ち合いにはならずに1点差勝負になると思いますし、ポイントは足だと思います。そうなると、やはり「ここで1点欲しい」という時の足を使った野球の精度が高い阪神が優位でしょう。それと、岡田監督を中心とした臨機応変のベンチワークも巧みです。DeNAも奮闘するでしょうが、(アドバンテージの1勝を含む)4勝3敗で阪神が日本シリーズに進出すると思います。

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