井端弘和が語る熾烈なセパのCS争い「短期決戦ならいい戦いができる」「一気に引き離す可能性もある」チームは? (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

――広島と1.5ゲーム差の2位、DeNAに関してはいかがですか?

「先発の東克樹がとにかく負けない(15勝2敗)ですし、あとは今永昇太の状態が上がれば、CSに進出した場合の戦いも見通しが立てやすいですね。打線も得点能力が高いので、2位に上がってCSをホームで迎えることができたら、勝ち進んで阪神と戦う可能性はかなり高まると思います。対阪神という視点でも、状態がいい時は投打ともに阪神に負けない、もしくは上回る戦力がある印象ですし、短期決戦ならいい戦いができるはずです」

――ケガで離脱中のトレバー・バウアー投手が、CSファイナルで復帰するという報道もありますね。

「そればかりはわかりません(笑)。ただ、シーズンを通して"しっかり投げる投手"だと思いました。中4日で先発していましたから、それが他の先発投手のサイクルに影響が出ることもあったでしょうが、シーズンが進んで『もう少し休ませたい』という投手が出てきた時に大きな助けになったと思います。しかも、球数を制限するわけではなく、最後まで投げ切ろうとする姿勢もよかった。

 トレーニングを含めて、自分で自分を管理している選手なんでしょう。聞いた話ではありますが、試合後にはすべてのデータに目を通し、打たれた打者に対する配球も考えているそうです。投げる球もストレートが強く、どの変化球も一級品で"さすが"のひと言。いろんな組み立てができて、CSでその投球を見られるならうれしいですが、来シーズンも日本で投球が見たいですね」

――DeNAまで3ゲーム差、4位の巨人はCS進出がかなり厳しくなりました。

「ただ、ズルズルいきそうでいかない、何とか踏みとどまっていることからも、『チームとしての力はある』と感じます。爆発力もありますから、もうひと山、ピークを持ってこられるかどうかですね」

――巨人が今の位置に踏みとどまっている要因は?

「チームのホームラン数がリーグ断トツ(163本)など、長打力を含めた打線の力、それと連敗を止めることができる先発投手、戸郷翔征と山﨑伊織の働きが大きいですね。加えて、グリフィンやメンデスも安定していて、赤星優志もここにきて上り調子。抑えの大勢も状態は心配ですが戻ってきましたし、もしCSに進出できたら面白いと思います」

――ただ、もしCSに進出してファーストステージを勝てたとしても、待ち構えている阪神との今シーズンの対戦成績は6勝18敗と大きく負け越しています。

「ペナントレースとポストシーズンは別物ですからね。僕が現役時代の時も、2009年のCSファーストシリーズ第2戦で、シーズン中に苦手にしていた(1勝3敗)ヤクルトの先発・館山昌平に勝てたこともありましたし。阪神は投打ともにいい状態で終盤を迎えていますが、何が起きるかわからないのが短期決戦。どのチームが勝ち進んでもいい戦いができると思いますよ」

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