ベイスターズ史上最強助っ人、ロバート・ローズの日本での後悔「自分の仕事じゃないって放棄していた」 (2ページ目)

  • 村瀬秀信●文 text by Murase Hidenobu
  • photo by Sportiva

── 謝らないでください。そのおかげで8年間の平均で、打率3割2分5厘。101打点、20本塁打という誰も成し得ない成績でチームに貢献し続けてくれたのですから。それは6月の「Get The Flagシリーズ」で来日された時の、多くの人たちの歓迎ぶりにも現れていたと思います。

ローズ 信じられない光景だった。20年以上の時間が流れているのに、たくさんの人が「ROSE 23」のユニフォームを着て、名前を呼んでくれた。思わぬことに感情が激しく揺さぶられてね。控室で涙腺が壊れてしまったんだ。僕は現役選手の時、幸せなことにたくさんのファンの人に応援してもらった。打席に入る時、ホームランを打つ、打点を挙げる。その時のファンが喜ぶ姿を見れば、自分がいま愛されているということは実感できました。でも、その時の僕はプレーに集中することばかり考えていて、ファンの気持ちに十分応えているとはいえなかった。

 それがね......僕がベイスターズを去り、もうこのチームのためにヒットも、打点も、何も貢献することができない今になって、あれだけの多くの人たちが僕のことを迎え入れてくれた。あの時の子どもが大人になり「ありがとう」と言ってくれる。青年だったファンが小さな子どもを連れてきて「大好きだ」と言ってくれる。僕も少しぐらいは今のファンに認知されているとは思っていたけど、想像を遥かに超える歓迎で.........本当に、うれしかった。この人たちに対し、今の自分に何ができるのだろう。アメリカに帰国してからすぐ、自分がやるべきことをやろうと、今回の来日の準備をはじめたんです。

【苦手なSNSを始めたワケ】

── なるほど。ある意味で、現役時代にやり残してきた思いを埋めるために、今回私費で奥さんと末娘のリアンナさんを連れての来日となったのですね。

ローズ リアンナも25歳。大人になった。優勝から25年だよ......フー。(感極まって通訳KK氏の帽子をとる)ロングヘアーだった彼もすっかり大人しくなってしまってね、こんなに時間が流れているのに......。

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