JFKを擁した阪神投手陣がロッテに「これほど点を取られるとは...」阪神・関本賢太郎が日本シリーズで感じていたチームの「焦り」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――6回までにリードしていれば、JFK(ジェフ・ウィリアムズ、藤川球児、久保田智之/現阪神一軍投手コーチ)が投入できますが、その形が作れなかった。

関本 それに尽きますよね。"先行逃げ切り"がシーズン中の勝ちパターンでしたし、そういった戦いがまったくできていないことに対する焦りも当然ありました。この試合でも1点しか取れませんでしたし、攻撃が完全に封じ込まれてしまっていましたから。あまりにも点が取れないので、頑張っていたピッチャーの踏ん張りがきかなくなって、終盤にビッグイニングを作られるという悪循環でした。

――第1戦、第2戦で無安打だった主砲の金本知憲さんは、この試合でも無安打に抑え込まれました。同様に抑えられていた今岡真訪さん(当時の登録名は今岡誠)には第1打席でシリーズ初安打が生まれましたが、チームは散発の6安打に抑えられました。

関本 金本さんもそうですし、全体的に抑え込まれましたからね。1番の赤星憲広さんもそうですし、今岡さんもシリーズを通じて2安打でしたから。ポイントになるバッターが徹底的にマークされ、"眠らされたまま"という感じでした。

――3試合続けて苦しい状況となり、ベンチの雰囲気もよくなかったと思いますが、誰かが声を出して味方を鼓舞するようなことはありましたか?

関本 誰だったんだろう......すぐに名前が出てこないですね。当時の阪神はけっこう"大人"のチームだったんですよ。勢いで勝っていくチームではなく、各選手が自分の役割を全うして勝っていくチームだった。なので、特に誰かが率先して声を出して、とかっていうのはなかったですね。

【日本シリーズの先制点の重み】

――ちなみに、先ほど「阪神が先制できていれば、流れが変わっていた」というお話がありましたが、やはり先制点を取れなかったことが痛かった?

関本 クライマックスシリーズ(CS)だったり、日本シリーズだったり、短期決戦は先制点が重要です。やはり先制できれば主導権を握れますし、主導権の奪い合いになりますよね。特に日本シリーズは頂上決戦なわけで、先制点の重みも違うと思います。

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