阪神は「気象条件にも見放されたか」OB関本賢太郎が振り返るロッテとの日本シリーズ初戦 勝負のポイントは「5回の攻防にあった」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

――5回裏、ロッテは今江さんとサブローさんのタイムリーで3点を勝ち越しました。

関本 やっと同点に追いつき、流れが阪神に少し傾きかけたところで、それをすぐに手放すことになってしまった。ここからがワンサイドゲームの始まりですし......。ここをゼロに抑えていたら、この試合のみならず、シリーズ全体の展開も変わっていたかもしれません。シリーズ4試合を通じて、1度も阪神がリードすることができなかったわけですから。ここでしょうね、ポイントは。

――ちなみに、清水さんのピッチングに対してはどんな印象を持っていましたか?

関本 交流戦で対戦していましたが、「コンビネーションがいいピッチャー」という印象でした。コントロールもいいので、インサイドをどんどん突いていくことができて、高低や左右という点も意識づけさせることができる。初戦にはもってこいのピッチャーですよ。ロッテには清水さんのほかにも、ふた桁勝っているピッチャーが多くいましたが、"相手バッターへの意識づけ"という意味で清水さんが第1戦の先発だったんでしょう。 

 それと、日本シリーズでは"シリーズ男"とか"逆シリーズ男"などと言われる選手が出てきますよね。特に「この選手に打たれたらロッテ打線を乗せてしまうな」という選手が、若手だった西岡剛や今江、4番のサブローさんなどだったんですが、打たれてはいけなかった選手全員に第1戦で打たれてしまった。

 あと、里崎智也さんや李承燁、ベニー(・アグバヤニ)にはホームランを打たれましたしね......。ベンチで見ていても、ロッテ打線がどんどん勢いづいていることを感じていましたし、打ち出すと止まらない印象がありました。

――確かに、この年のロッテ打線は勢いがありました。阪神としても、西岡さんや今江さんはマークしていた?

関本 "勢いの象徴"という感じでしたからね。初戦を落としたのも痛いのですが、相手のポイントになる選手に火をつけて負けてしまったのが痛かったです。特に今江は、8打席連続安打の日本シリーズ記録を作りましたし、止められませんでしたね。

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