内海哲也「選手に『ああしろ』『こうしろ』と言う必要はない」 コーチになって心がけているのは「とにかく見ろ」 (5ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

【若手の成長を見守る日々】

 幸い、西武の一軍投手陣は充実しており、ファームでは若手をじっくり育てることができる。2021年ドラフト組の羽田慎之介(19歳)、黒田将矢(19歳)、菅井信也(20歳)に加え、高卒ルーキーの山田陽翔(19歳)も成長著しい。入団以来、大きな期待を背負う渡邉も何かのきっかけで羽ばたくかもしれない。

「三軍で投げていたピッチャーが二軍でチャンスをもらった時には、自分のことのように緊張します。二軍戦で結果を残せたら『よし!』と思いますし。豆田の一軍初登板はドキドキしながら親心で見ていました」

 内海は現役生活を終えた今も朝早く球場にやって来て、二軍のデイゲームがある日は夜7時から8時頃まで居残る日々だ。

「長い1日ですね(笑)」

 そう話す表情には、第二の野球人生で味わう充実感があふれていた。

(敬称略)

プロフィール

  • 中島大輔

    中島大輔 (なかじま・だいすけ)

    2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。

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