井端弘和が「中日はかなり強くなる」と分析する理由 根尾昂の一軍昇格は? (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

――若手の育成に重きを置くと、得点力の減少は避けられない?

「そこは、(ダヤン・)ビシエドら外国人選手の不調もあるでしょう。ただ、ビシエドが登録を抹消されているところを、細川(成也)がうまく補って活躍した。現役ドラフトで新加入した細川も、前チームのDeNAでの6年ではシーズン40試合も出ていなかった選手。まだ24歳ですからさらなる飛躍も期待できます」

――細川選手はオールスターに初選出。シーズン開幕前、ここまでブレイクする予感はありましたか?

「まったくなかったですね(笑)。誰も予想していなかったんじゃないかと。あくまで私の見方ですが、DeNAにいた昨年までは一度引いたバットを、打つ前にもう一度引いてしまう癖があった。それが今年は、しっかり軸足の右足に体重が乗って、バットを二度引くことも少なくなりました。それで好調が維持できていますし、長打力も今の中日では1、2を争う選手です。

 相手チームのバッテリーからもさまざまな攻め方をされるようになりましたが、それにも対応してきていますし、バッターとしての完成系はまだ先にあるような気もします。来シーズンも同じような活躍を続けて、首脳陣の信頼を確固たるものにしてほしいです」

【根尾の一軍起用の可能性は?】

――投手陣について、楽天からトレードで加入した涌井(秀彰)投手は、防御率は3点台ながら3勝9敗と負けが大きく先行しています。

「先発ローテーションを守っていますし、仕事はしていると思いますよ。勝ち負けは打線の調子なども関わってくる部分ですし、『先制されない』ということを意識し続けていれば、チームを勝ちに近づけることができるピッチャー。まだ後半戦も残っていますし、挽回はできるでしょう」

 柳(裕也)も昨年に続いて勝ちに恵まれず(3勝6敗)、小笠原(慎之介)も5勝5敗の五分。とはいえ、打線が苦しい中でよくやっていると思います」

――中継ぎ陣はいかがですか?

「絶対的な守護神のライデル・マルティネスまでつなぐ、右の清水(達也)や祖父江(大輔)、左の福(敬登)たちの疲労は気になるところです。大崩れはしていない、という印象でしょうか」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る