久保康友がドイツで苦労していること「今月使えるお金は、あとこれだけか......」 (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文・撮影 text & photo by Suzuki Toshiki

 だから、練習できるところがなかったりしたら、独立リーグのチームに直接お願いに行って、そこで練習させてもらっていたんです。そしたら『ウチのチームに入っていいよ』って言ってもらったんで、(兵庫ブレイバーズに入った)去年はそんな流れでした」

── いろんなルールがありますね。

「ドラフトで選手を獲る時に、大人はグレーゾーンで悪いことをしよるんですよ。それがあるから、変なルールがあるんです。『ルールに則ってやっているよ』って言うても『そんなん、あからさまに悪意があるやん』みたいなことも......」

── 話を変えて、今の生活について教えてください。これまで米国、メキシコと渡ってきて、そして今回はドイツです。この国の印象はいかがですか?

「日本人の感覚に近い人がめっちゃ多いですね。僕のホストファミリーはすんごい几帳面。『この人たちだけかな?』と思っていたんですけど、けっこうポツポツいる。ハンブルクとか北ドイツの人がそういう傾向なんですかね? 南ドイツの人は明るい感じがしましたけど。

 ハンブルクの人って仕事を頼んだらすぐにやってくれるんです。そういう意味ではすごいラク。ちょっと不便があって『これ壊れたんやけど』って言った時も『どうせ2週間くらい放っておかれるんやろうなぁ』と思っていたら、その日のうちに直してくれたりとか。ビックリしました。むしろ僕のほうが乱雑で部屋も汚いし、逆にホストファミリーに対して気を遣います(笑)」

── これまでいろんな町に住んだと思いますが、どこが最も気に入りましたか?

「えーーーーっ。それ、めっちゃ聞かれるんですけど、それぞれいいところがあるんで一番は決められないですよ。メキシコは治安が悪かったですけど、物価はめっちゃ安くて、タコスが30円とか50円くらいで食えました。ドイツだとタコス1個食おうと思ったら、500円とかしますやん。『10倍やん!』って。

 そういう生活面で考えたら、メキシコはめっちゃラクですね。ドイツは快適なんですけど、生活はしんどいです。お財布の中身とにらめっこしながら、『今月使えるお金は、あとこれだけか......』と思いながら(笑)」

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