NPB通算97勝の久保康友はドイツにいた 「チームが『選手募集!』を貼り出してたんです。バイトのあれと一緒」 (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文・撮影 text & photo by Suzuki Toshiki

 僕、イタリアに行きたかったんですよ。世界遺産巡りが趣味なので。そうしたら、イタリアのチームが昨年の秋の時点で外国人枠がいっぱいだと。もうイタリアは無理ですって......」

── 外国人選手の補強枠が昨年秋の時点で終わっていたのですね。

「そうです。中南米の選手にとって、イタリアは気候や言語面も居心地がいいみたいで、もう枠はないと言われてしまって。それで、『次の(高い野球)レベルはどこなんだ?』となって。

 オランダも考えたんですけど、僕、社会人(※松下電器)の時にオランダに行ったことがあるんですよ。国もちっちゃいですし、『オランダやったら、ほかの国からでもすぐに観光に行けるな』と。そう思ったので、行ったことのない国のほうが自分としては魅力的だった。

 イタリアがダメだった......じゃあ、ヨーロッパで世界遺産が多いのはどこや? 1位はイタリア......お、4番目にドイツがあるやん! ドイツの野球レベルを見たら、イタリアとオランダの次くらい。チェコとかそのへんと争っているから、それやったらええんちゃうかなと。そしたら、チームが選手を募集していたんですよ」

── 募集......ですか?

「チームが『選手募集!』って貼り出すんです。バイトのあれと一緒ですよ。『この給料で、この条件で来てくれる人』っていうのをポンと(笑)。知り合いから『久保さん、ドイツでそういう募集ありますよ』って教えてもらったので、『わかりましたー!』と資料を送ったんです。

 自分は年齢もいっていますから、はじめは映像を送っても(監督の反応は)『うーん......』みたいな感じだったんですよ。でも、チームにいるボランティアの日本人スタッフの方......このチームのアカデミーでやっている子のお母さんなんですけど、『この人(久保のこと)、めちゃくちゃいい選手ですよ!」ってデイヴィット(監督)に言ってくれたみたいで。

 その方がおらへんかったら、たぶん入ってないですよ。年齢もそうですし、映像を見てもあんまり(実力が)わからなかったみたいでしたし。去年、兵庫(ブレイバーズ)でそこそこのボール......144キロくらいのボールを投げている時の映像なのに(笑)。

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